#835 まるで、双子のように。
あなたの完全犯罪が好き。
あなたと、ビュッフェ。
気がつくと。
あなたは、いつも一緒に、いてくれている。
私は、自由に、動いている。
それでも。
あなたは、いつもそばにいる。
張りついている息苦しさもない。
ゆるく、そばに、いる。
それが、寄り添う。
私が立つと、あなたも立つ。
私が戻ると、少し前に、あなたは戻っている。
ビュッフェで、同じタイミング動くのは難しい。
私が、逆に合わせようと思ったら、できない。
あなたは、マンマークしてくれている。
それでいて、楽しんでいる。
まるで、コース料理を一緒に作って、一緒に食べているみたい。
ホテルのレストランは、賑わっていた。
気がつくと。
席に戻った時に、テーブルが片付いている。
隣のテーブルは、まだ空いたお皿が、片付いていない。
反対側のテーブルも、片付いていない。
そういえば。
私は、想像した。
あなたは、私と一緒に動きながら、空いたお皿も、あなた自信が、片付けていた。
スタッフを、呼んだわけではなかった。
片付けている所も、目立たなかった。
だから、私ですら、気づかなかった。
あなたは、ずっと、私のそばにいた。
あなたのアリバイは、完璧だった。
あなたの完全犯罪。
それでいて。
ドリンクは、取ってきてくれる。
テーブルは、常に、快適な状態にしてくれる。
あなたは、双子で、もう一人のあなたがいる。
そんなトリックでも、私は、ハッピーだから、嬉しい。