#840 私の中で、始まる。
あなたのやりかねなさが好き。
あなたと、ビュッフェ。
北海道フェア。
定番のカニのかわりに、帯広豚丼がある。
懐かしい。
帯広豚丼は、あなたと千歳空港のレストランで食べた。
美味しかった。
口の中に、一気に豚丼の味が広がった。
まず、気持ちを抑えて、サラダから。
このホテルは、サラダが充実しているのが、嬉しい。
いつものことながら。
あなたのサラダの盛り付けに、惚れ惚れする。
あなたのサラダは、立体的なオブジェになっている。
前菜を食べて。
あなたが入れていてくれた、パンプキンスープをいただいて。
これで、罪悪感なしで、今日のメインの帯広豚丼に。
シェフが、網の上で焼いてくれる。
たった今焼いた豚肉を、タレの壺の中につける。
タレは、うなぎの蒲焼のタレ。
タレたっぷりで、ごはんが茶色になるのが、嬉しい。
ご飯が少なめも、嬉しい。
これは、禁じ手に出るしかない。
おかわり。
あなたは、おかわりを我慢する。
私は、我慢できなかった。
シェフは、顔を覚えてくれていて、さっきより、タレを多めにしてくれた。
幸せ。
あなたとの北海道の思い出と一緒に、蘇る。
家に帰ってからも、豚丼のタレの余韻を味わっていた。
危険。
私の中で、豚丼ブームが始まった。
あなたは、パソコンで何かを調べている。
たぶん。
帯広豚丼を食べることができるお店。
ひょっとして、レシピ。
はたまた、帯広に行く飛行機。
やりかねないあなたが、好き。