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#842 あなたを味わう、贅沢。

あなたの贅沢な味わい方が好き。
あなたが、禁じ手を破って、ホテルの中華レストランで、炭水化物3連発をオーダーしてくれた。
最初は、<海鮮あんかけ焼きそば>。
八宝菜が、かた焼きそばの上に、かかっている。
まず、麺だけ、食べてみた。
やっぱり。
麺だけで、おいしい。
もはや、海鮮あんかけは、いらない。
いや、これは、八宝菜とかた焼きそばというセットメニュー。
あなたは、他のメニューを頼まなかったのではなく、ひとつの料理が、2つの料理の合体であることに気づいていた。
しかも、この海鮮あんかけ。
鍋に具材を入れて、一気に炒めたものではない。
イカが、椎茸が、ベビーコーンが、鶏肉が、すべて単品メニューとして、きちんと仕込みをされている。
八宝菜ではなく、八品菜だった。
<金華ハムととうもろこしと枝豆の炒飯>も、同じく。
あなたは、炒飯を一口食べると、スプーンを置いて、味わった。
私も、真似してみた。
炒飯を、こんな風に、味わったことがなかった。
美味しかった。
もちろん、炒飯自体も美味しいのだけど、スプーンを置いて食べる味わい方が、おいしかった。
一粒一粒を、味わうことができた。
次は、<コラーゲン鶏煮込みつゆそば>。
スープが、絶品。
スープを頼まなかった理由が、わかった。
これは、スープも兼ねている。
玉子麺も美味しい。
あなたは、レンゲを左手に持ち、小皿のように麺をレンゲに乗せて、食べている。
中国皇帝のように。
そして、あなたが、ウエイトレスの女性に、なにか耳打ちをした。
女性は、にっこり笑った。
そして、白ごはんが運ばれてきた。
またも、見破られた。
私が、このスープを、白いご飯にかけたら、おいしいに違いないって。
まさに、絶品。
<コラーゲン鶏煮込みご飯>が、完成した。
炭水化物4段重ね。
あなたを見ると、スープを掛ける前に、コシヒカリだけを味わっていた。
どこまで、贅沢な味わい方だろう。
そんな贅沢なあなたを味わう私は、最高の贅沢。



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