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#850 いきつけに、なりたい。

あなたの「いきつけ」が好き。
あなたと、深夜中華。
料理が出てきた。
オーダーのやり取りが中国語だったので、本格的な中華を想像していた。
思い切り辛いのを、想像していた。
出てきたのは、懐かしい香りだった。
中華というより、和食を出されたようなイメージだった。
一口、食べる。
んっ?
なんだろう、この味。
言葉に、できない。
もう一口。
うーん。
言葉に出来ないのは、美味しくないからではない。
かすかだから。
カウンターの隣の割烹のご主人風のおじさんが、炒飯をひと口食べて、言った。
「うん、これやこれや」
「おいしい」
ではなかった。
安心の味。
お店の人たちは、常連さんというよりは、このお店を「いきつけ」にしていた。
「いきつけ」に決めたわけではない。
気がついたら、ここに来ていた。
それが本当の「いきつけ」。
「いきつけ」には、刺激は要らない。
「いきつけ」には、安らぎがほしい。
あなたと同じ。
知らない人は、あなたを「刺激的」な人と思う。
もちろん、「刺激的」でもある。
それだけではない。
あなたは、「癒やし」がある。
あなたは、私の「いきつけ」。
気がついたら、来てしまっている。
私も、あなたの「いきつけ」でありたい。
「いきつけ」は、「行きつけ」であり、「息つけ」でもある。
お店を出る時、おもわずつぶやいた。
「おいしかった」



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