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#860 真空の時間に。

あなたの作る真空の時間が好き。
今日は、イベント。
私は、事務方。
仕事モードで、硬めのビジネススーツを選んだ。
社長が、到着。
第一声。
「地味じゃない」
私のビジネススーツだった。
イベントのムードを優先するべきだったかと、反省した。
でも、事務方の役割もあるし。
アクセサリーで、硬めの中に、華やぎを入れる手もあったかな。
「それほど地味でも、ないですけどね」
周りのスタッフが、慰めてくれた。
そんな時、あなたは。
「派手すぎるって、言われるくらいしていいんじゃない」
笑いながら、そう言ってくれた。
慰められるより、嬉しかった。
そして、社長の顔も立てることができた。
あなたのバランス感が、凄い。
言い方も、ナイスなクッション感がある。
こういう言い方は、難しい。
お礼を、言わなくちゃ。
二人きりになるタイミングを、探した。
イベントは、想定外なことが、いつものように起こり、なかなか二人きりになれなかった。
ふと。
真空の瞬間が、訪れた。
慌ただしい中で、奇跡的に、二人きり。
あっ、さっきは。
私が、言いかけた時。
あなたは言った。
「僕は、今日のも、好きだよ」
この真空の時間は、あなたが作ってくれたに違いなかった。



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