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#862 ゆっくり、速く。

あなたのテンポが好き。
あなたと、中華レストラン。
今日は、コース料理。
まずは、前菜盛り合わせ。
5種類のっている。
どれから食べようか。
迷う。
こういう時。
私は、好きなものから食べる。
これって、マナー的には、決まり事があるかもしれない。
あなたを、ちらりと、見た。
よかった。
あなたも、同じのを食べている。
正解。
次は、これかな。
あなたを、見る。
おお、正解。
よかった。
見事、5つとも、順番は、正解だった。
ゆっくり、味わってしまった。
なんという満足感。
まだ、前菜なのに。
もう、メインを食べ終わった気分。
この後、デザートが出てきても、フルコースで味わった感じ。
私は、ときどき、あなたを見る。
あなたを、待たせていないか。
すると、あなたも、同じようにゆっくり食べている。
むしろ、私より、ゆっくりなくらい。
そうやって味わえばいいのね。
デザートが出た。
あなたを、見た。
おや。
テンポが上がった。
好みじゃないのかな。
ちがう。
お店が混みはじめたから。
待っているお客さんに早く席を譲るために、早く食べ始めた。
あなたは、私が食べた順番に食べてくれていた。
テンポも、私に合わせてくれていた。
今、気づいた。



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