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#900 まるで、修行僧のように。

あなたの修行が好き。
あなたは、今日は、審査員。
受付に向かう。
何か、雰囲気が変な感じ。
これは。
時々、学園祭で感じる空気。
その予感は、当たった。
オペレーションが、グダグダになっている。
控室どころか、待つ場所もない。
椅子もない。
打ち合わせもない。
台本もない。
説明もない。
誰が担当者かも、分からない。
狭い舞台袖で立っている。
突然、名前が呼ばれる。
ステージにニコニコ、出ていく。
審査が、始まる。
感想を求められ、あなたはコメントをする。
審査シートに書き込む。
「それでは、集計の間、しばらくお待ち下さい」とアナウンスの後、審査員は全員ステージに残されたまま。
観客が、いなくなる。
普通は、逆。
アナウンスなく、コマーシャルが繰り返される中、15分は時間が経っている。
他の審査員が化粧室に立った時、いきなり、始まった。
審査結果の発表。
収録ではなく、ライブ配信。
進行係が、誰なのか不明なまま、進む。
次の審査になると、審査員があなたと、あと2名だけになっていた。
他の審査員は、段取りの悪さに怒って、帰ったらしい。
「帰る気持ちは、わかるね」
と言った残った審査員が、その後、切れた。
叱られている人も、帰りたいスタッフだった。
そんな中。
あなたは、ニコニコ笑っていた。
まるで、修行僧のように。



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