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#905 もしもの時はを、想像しながら。

あなたの想像の準備が好き。
あなたと、階段を降りる。
今日は、階段を安心して、降りることができる。
ヒールだと、階段は、怖い。
特に、今日は、雨で階段が濡れている。
スマホを見ながら、どんどん降りてくる人もいる。
上ってくる人も、スマホを見ている。
引っ越しのような、大きなスーツケースを抱えている人もいる。
前に、大きなリュックを背負っていて、上っているのか、降りているのか、わからない人もいる。
そろりそろりと、降りているおばあさんもいる。
そんな中で、なぜか安心。
腕を、組んでいるわけでもない。
あなたは、何気なく、降りている。
でも、何気なく、降りているわけではなかった。
最近、あなたが、頭の中で想像していることを、ときおり、思い浮かべることができるようになった。
あなたは、想像していた。
私が、今、階段で、ヒールを滑らせて落ちそうになった所を。
すかさず、私の腰を引き寄せ、一緒に落ちないように、反対の手で、手すりにつかまる作戦を考えていた。
あなたが、手すりサイドを選んだのは、そういう理由からだった。
反対の手で、手すりを持たないと、一緒に転げ落ちることになる。
そうなると、他の人も巻き込むことになる。
私だけではなかった。
もし、目の前の、そろりそろりと降りているおばあさんが、転んで落ちそうになった時、どうやって助けるかも、想像していた。
そんなことを、想像しながら、鼻歌を歌っている。
あの鼻歌も。
周りを、リラックスさせるため。
そして、さっと動くための、リズムを取るため。
何事もなく、階段を下まで無事降りた。
あなたの想像訓練は、いつか必ず、発揮されることになる。
あなたの鼻歌が、別の曲に変わった。



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