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#909 愛馬のように、またがって。

あなたの椅子の座り方が好き。
あなたと、朝食。
ビュッフェスタイル。
あなたは、朝食の時も、ネクタイ・スーツ。
三つ星フレンチで食事をしているような優雅さ。
あら。
気づいた。
あなたの椅子は、あなたにぴったりフィットしている。
私の椅子は。
なんだか、大きい。
あなたの椅子と、違う椅子なの?
そんなことはない。
同じ椅子。
なのに。
あなたの椅子は、小さく感じる。
そうじゃない。
小さいのではなく、あなたと一体化している。
まわりを見た。
周りのどの人も、椅子が大きく見えた。
あなた一人が、椅子にラクラクと座っている。
そうじゃない。
ラクラクとしているのは、あなたじゃなくて、あなたが座っている椅子の方。
あなたの椅子は、あなたに座られて、ラクそう。
それ以上に、楽しそう。
それ以上に、気持ちよさそう。
あなたは、椅子に、まるで愛馬に乗っているように、座っている。
あなたと椅子が、一体化している。
あなたは、乗馬服をまとい、シルクハットをかぶっているように見える。
あなたに座られて、椅子は、愛馬に変身している。
椅子は、あなたの体重を感じていない。
なぜなら、椅子は、あなたの体の一部になっているから。
そして、あなたの一部になることを、椅子は、喜んでいるから。
私は、チーズましましのオムレツを食べながら、あなたの椅子の心地よさを、味わっていた。



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