#910 瞑想するように、寝転がって。
あなたのデッキチェアの寝転がり方が好き。
あなたと、ホテルのクラブラウンジ。
チェックアウトとチェックインの間の時間帯。
クラブラウンジは、静かだった。
ウッドデッキのテラスがあった。
見慣れた銀座の風景とは、全く違う風景が広がっていた。
上から見ると、こんな景色だったなんて。
ウッドデッキには、デッキチェアがあった。
心地いい風が、吹いてくる。
皇居の森から吹いてくる風は、まさに自然の風だった。
銀座には、空がある。
空には、風が吹いている。
あなたは、銀座の空の風に吹かれながら、デッキチェアに横たわっている。
私も、隣に横たわった。
気持ちいい。
爽やかな日差しが、注ぐ。
機械的ではない自然のタイミングで、風が頬を撫でていく。
こんな時、あなたは何を感じているのだろう。
あなたを、見た。
あなたは、目を閉じて、味わっていた。
それとも。
眠っているのか。
まどろんでいるのか。
それとも、何かを想像しているのか。
起きているようにも、眠っているようにも、見える。
何かを、話しかけているかのようでもある。
目を閉じているようでも、かすかに目を開けているようでもある。
まるで、瞑想をしているような感じ。
デッキチェアに寝転がりながら、座禅。
もし、敵が襲ってきても、すぐ撃退しそうな感じ。
もし、殺し屋の美女が、あなたに剣を振り下ろそうとしても、あまりのスキのなさに、振り下ろせない。
あなたは、眠るように、起きている。
起きているように、横たわっている。
そんなあなたの隣が、私のリゾート。