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#921 気がついたら、話している。

あなたの話しかけやすさが好き。
あなたと、お麩料理の茶房。
1階が、ショップになっている。
お麩の老舗。
こんなにお麩に種類があるなんて、知らなかった。
たしかに、お麩を見ると、どこかのお店で食べたことがある。
食べている時は気づかなかった。
あれも、これも、お麩だった。
あらためて、気付かされた。
気づくと。
また。
あなたは、お店の人と、親しげに話していた。
あなたは、そのお店が、リニューアルする前に来ていた。
その時からの知り合いか。
きっと、そうではない。
あなたが話している人は、初対面。
なのに、前から知り合いのように、話す。
あの時も、そうだった。
あなたと、初めて会った時。
気がつくと、話していた。
話しかけの言葉すらも、思い出すことができない。
気がつくと、でしかない。
前からの知り合いのように、話していた。
「はじめまして」という挨拶は、あなたはしなかった。
私も、しなかった。
幼馴染に会ったように、話していた。
時間を、お店に入った時に、巻き戻す。
私は、いろんな種類のお麩に、はしゃいでしまった。
あなたは、お店の人を見た。
そして、珍しいお麩を真剣に見ながら、お客さんのあまりいないコーナーに向かった。
そうすることで、お店の人が、話しかけやすい状況を作っていた。
偶然ではない。
話しかけやすい状況を、あなたは作っているのだ。
これは、私の想像。
今度は、その現場を、見逃さないようにしないと。



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