#926 中途半端が、おいしい。
あなたの中途半端からの融通が好き。
あなたと、京都の中華料理屋さん。
老舗で、披露宴もできる立派な建物。
なのに、味は、気取っていない。
学生街にある町中華の味がする。
そういうところが、京都の中華料理のよさ。
京都の中華料理は、もはや京料理の一種。
今日は、グループで来た。
全部で6人の予定。
当日、誰かが一人連れて来たので、7人になった。
こういう時、中華の丸テーブルは、融通がきくのでいい。
椅子を足して、7人にした。
料理を、オーダーする。
餃子が、1皿、6個入り。
ほら、こういうことになる。
シグニチャーメニューの春巻きが、12個入り。
ほらね。
こういう時。
あなたは、楽しそうになる。
むしろ、きっちりの時は、出番がないので、物足りなさそう。
自分が遠慮すると、気を遣わせてしまう。
かと言って、2皿頼むと、ちょっとずつ色々食べることができなくなってしまう。
1個を半分こしたら、肉汁が出てしまって、シェフにもうしわけない。
連れてきた人にも、連れて来られた人にも、気を遣わせてはいけない。
あなたは、お店のスタッフと交渉した。
お店の人は、笑っていた。
そして、見事、餃子は7個入り、春巻きは、14個入りが、登場した。
あなたが、なんと相談したのかは、わからない。
誰でも相談するとできるとも、限らない。
あなたは、普通の人が「ちぇっ」っとなる状況が、嫌いではない。
中途半端さを楽しむ。
割り切れないことで、コミュニケーションを生み出している。
融通がきくのは、中華テーブルではなかった。
あなただった。
あなたが調整してくれた餃子と春巻きが、美味しかった。