#927 楽しすぎて、見逃す楽しみ。
あなたの実験が好き。
あなたと、アートホテル。
このホテルは、アートに特化している。
そこでの、アフタヌーンティー。
アートに特化しているだけに、アフタヌーンティーも、凝っている。
最初のドリンクで、試験管がでてきた。
4本の試験管には、赤・黄・青・白の「液体」が入っている。
それを、自分の好みに合わせて、ブレンドする。
これは、楽しい。
グラスには、最初に、3分の1の透明の液体が入っている。
塗り絵の作戦にした。
まず、薄い色から。
白を入れる。
いい感じで、広がらなかった。
角度をずらして、黄色の液体を入れる。
おお、いい感じ。
かき氷の液体版。
そして、赤を入れる。
いい感じに、トリコロールになった。
最後に、青。
見て、キレイに色が分かれた。
あなたを、見た。
あなたは、色の実験をするマティスのようになっていた。
あなたのドリンクは、なんと。
4色が、角度ではなく、下から順番に、層になっていた。
ヴェリーヌ状態だった。
どうしたらそんなふうになるのか。
見逃して、しまった。
またしても。
あまりにも、楽しすぎて、あなたの手品を見逃してしまう。
トロピカルドリンクのかわいい傘がついていた。
その小さな傘を、あなたは開けたり閉じたりしている。
楽しそう。
また、あなたは、なにか実験を思いついている。