#948 おかわりの、ひと口。
あなたのおかわりのひと口が好き。
あなたと、フレンチトーストのお店に。
本店は、ニューヨーク。
ニューヨーカーの朝食で有名な人気店。
自分のライフスタイルを大事にするニューヨーカーは、朝食を、夜食べたい人もいる。
だからここでは、夜でも、朝食を食べることができる。
お店に入ると、向かい合わせに、ランチョンマットがセットしてあった。
壁際に、私が座った。
あなたは、隣りに並んで座った。
その後、ランチョンマットを、引き寄せた。
あなたに、バレていた。
今日は、隣りに座りたい気分だった。
お店の中が、ニューヨークだったから。
そんな時。
ランチョンマットが、こう置かれてるからなんて、気にしない。
自分で、変えればいい。
ウエイトレスの女の子が、それを見て、微笑んでいた。
メニューは、フレンチトースト以外にもりだくさんだった。
パンケーキもあり、前菜・サラダ・お肉・お魚・スープ・スイーツ。
迷う。
フレンチトーストか、パンケーキか。
そういう時、あなたに迷いはない。
じゃあ、両方はんぶんこ。
それから。
「罪悪感を消すために、サラダを食べよう」
こういうリードが好き。
「ブッダ・ボウルって、何かしら」
「いいね。それにしよう」
そういう時、普通の男性は、「ブッダボウルはね、玄米と……」と説明を始める。
女の子は、説明は求めていない。
「いいね」のひと言で、うれしくなる。
でてきたフレンチトーストは、大きいのが3ピース。
さすが、ニューヨークサイズ。
あなたは、さっと一切れ、私のお皿に乗せてくれた。
ナイフを入れた。
柔らかい。
バゲットではなく、ブリオッシュのフレンチトーストだった。
これなら、いけそう。
あなたは、残りのフレンチトーストを、おかわり用に取っていてくれた。
追加のひと口は、最初のひと口よりも、おいしかった。