#955 いじって、笑ってくれて。
あなたのいじり方が好き。
あなたの教室。
いつも、あなたにいじられている生徒がいる。
その生徒が、言った。
「もう、いじるのを、やめてください」
あなたは、微笑みながら、言った。
「はい、わかりました」
出た。
あなたの、「はい、わかりました」。
あなたが、「はい、わかりました」という時は、なにかを決意した時。
「いじらないでください」と言った生徒は、いじられていると思っている。
いじられているのではない。
いじってもらっている。
いじってもらえる生徒と、いじってもらえない生徒がいる。
あなたは、明確に区別している。
あなたが区別しているのではない。
生徒の求めるものを、提供している。
そこが、プロ。
「先生に、失敗をいじってもらいたい」
という生徒もいる。
あなたは、生徒の失敗を慰めない。
慰めでは、失敗を乗り越えることができないことを知っている。
失敗を乗り越えるには、失敗談にすること。
失敗談にするには、みんなに話して、みんなが笑って、笑い話にすること。
笑ってくれるのが、みんなの愛情。
「いじらないでください」という生徒は、残念ながら、みんなの愛情に気づいていない。
気づいていれば、感謝できる。
笑ってくれるのが、みんなの励まし。
「可哀想に」という声かけでは、失敗を乗り越えることはできない。
これから成長するだろう生徒は、誰よりも、多くの失敗をしている。
誰よりも、多くの笑い話を持っている。
それは、私でよかった。