#957 すべてが、エスコートになって。
あなたのエスコートが好き。
今日は、あなたとホテルのビュッフェ。
初めてのビュッフェは、高ぶってしまう。
興奮して、壊れてしまう。
あなたとのビュッフェは、楽しい。
あなたが、エスコートしてくれる。
ビュッフェでない時も、エスコートしてくれるけど、ビュッフェの時は、さらにエスコートされる幸せを感じる。
料理を、見に行く。
いきなりお皿を持たないことを、あなたとビュッフェに行って、学んだ。
まず、全体像を把握する。
前菜コーナーから、デザートまで、一緒に見る。
その時。
あなたは、私と並んでいない。
私の斜め後ろにいる。
あなたは、料理を、見ていない。
私の目線を見ている。
私の目線から、私の気になっている料理を、把握する。
お隣のカップルは。
男性と女性が、離れ離れに、取っている。
仕方がない。
それは、バイキング。
あなたが、特殊なだけ。
アイスクリームが、20種類、ある。
あなたは、全体の把握に、たっぷり時間をかける。
私の目線を見ながら、今日のお品書きを作っている。
あなたは、エスコートしようとしていない。
お隣のカップルも、彼が頑張って、エスコートしようとしている。
エスコートしなければならないから、している感じ。
「うろうろしないで」と、彼女が、彼に注意されていた。
いよいよ最初の前菜。
お皿をあなたが、渡してくれた。
それは、前菜コーナーにないオシャレなお皿だった。
あなたは、料理を把握するだけではなく、器も把握していた。
席に戻ると、いつのまにか、ドリンクが置かれていた。
あなたが、置いてくれていた。
あなたは、エスコートしようとしていない。
していることが、エスコートになっているだけだった。