#965 満腹より、満足を。
あなたの予測が好き。
あなたと、お好み焼きに行った。
お店の暖簾をくぐる前から、いい香りがした。
ソースの甘い香り。
お腹が、空いてきた。
お店に向かっている途中から、お腹は空いていた。
香りを、かいで、また空いた。
つまり、私のお腹は、2回、空くことに気づいた。
このお好み焼き屋さんは、商店街の中にある。
ターミナル駅からは、離れている。
近所の常連さんばかりで、賑わっている。
焼きそばが、出来上がった。
お好み焼き屋さんだけど、焼きそばが絶品。
大盛りを、2人で分ける。
この後、お好み焼きも、やってくる。
その時、気づいた。
私は、お腹が、空いた。
不思議な感覚。
食べているのに、お腹が空く。
むしろ、食べたことで、お腹が空いていることに、気づいた。
私は、3回、お腹が空くのだ。
焼きそば、おかわり、いけそう。
あなたに、提案した。
「デザートを、追加する手もあるよ」
あなたは、笑って言った。
それもあり。
お好み焼きも、美味しかった。
お腹が、落ち着いてきた。
焼きそばを、追加しなくてよかった。
あなたは、気づいていた。
私の興奮に。
そして、私の満腹感が、遅れてやってくることを。
満腹には、罪悪感が伴う。
あなたのおかげで、満腹を避けることができた。
「もうちょっと、食べたい」が、幸せ。
あなたは、私に、満腹ではなく、満足をくれる。
追加のデザートは、満足だった。