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#969 笑顔の鏡になって。

あなたの緊張のほぐし方が好き。
今日は、美の日本代表を決めるビューティー・ペイジェントの日。
あなたは、30年以上、審査員を務めている。
審査員をしたい男性は、多い。
でも、審査員は、「したい」と思う人はむいていない。
審査員とは、美を通して、社会貢献できる人材を発掘し、育成する人でなければならない。
ファイナリストの女性の家族・友人・応援団が、会場に駆けつけている。
審査するあなたの背中が見える。
その背中は、笑っている。
顔は、後ろから見えない。
でも、あなたが、緊張するミスに微笑んでいるのが、わかる。
なぜなら、あなたを見たミスが、微笑むから。
ミスが、あなたに微笑みかけたのではない。
あなたが、ミスに微笑みかけて、緊張をほぐした。
想像した。
大会が始まる直前。
楽屋から、ステージに移動するミスたちに、あなたは声をかけていた。
きっと、こんな声を。
「緊張したら、音楽を聴いてね」
緊張している人は、音楽が流れていても、聞こえない。
無音の中にいるから、ますます緊張する。
流れている音楽を聴くことで、緊張がほぐれる。
そのアドバイスを聞くだけで、緊張がほぐれる。
「それでも、緊張したら、僕を見て。笑ってるから」
ムリに笑おうとすると、ひきつる。
笑顔は、笑顔の人を見ることで、思い出す。
あなたは、すべての出場者に、声を掛ける。
きっと、そんなやり取りが、あったにちがいない。
知らない人が見たら、あなたのメモは、採点メモだと思うにちがいない。
でも、違う。
あなたのメモは、応援のメモだ。
それに気づけて、微笑んでいる自分に気づいた。
まるで、出場者するファイナリストのように。



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