#975 12時の王子様。
あなたのプレゼントが好き。
あなたと、夜の電話。
直接会うこともできる、
Zoomで、会うこともできる。
それでも。
電話は、また新鮮。
10代の頃、SNSがなくて、良かった。
電話は、話す道具から、読み書きする道具に、変わった。
電話で、長話をすることができた。
公衆電話で、こっそりかける電話も、あった。
SNSで、やり取りが便利になった。
その分、長電話が、なくなった。
電話で聴くあなたの声が好き。
電話だと、映像がない分、余計わかる。
映像があると、顔を見てしまう。
映像がない分、声に、集中する。
ベッドに入ってする電話が好き。
電話は、切る間際の時間が好き。
健康のために、シンデレラタイムを、またがないようにしている。
それを、あなたも知ってくれている。
あなたが、23時59分で、収めてくれる。
「おやすみ」
「おやすみ」
私の王子様は、シンデレラを12時にきちんと、帰してくれる。
12時になった時、メールが届いた。
あなたから。
「お誕生日、おめでとう」
忘れていた。
あなたは、それを知っていて、電話をしてくれた。
あなたのプレゼント。
翌朝、玄関のドアの前に、置き配で届いたあなたからのプレゼントが届くのを、今夜の私は、まだ知らないで、眠りに入った。