» page top

#977 残り、1%まで。

あなたの007が好き。
あなたと、電話。
あなたは、今日は、大阪で8時間の授業。
途中、トイレに行くだけ。
食事も、授業をしながら続ける。
「歌舞伎スタイルだね」
と、あなたは笑っている。
「僕よりも、生徒のみんなのほうが、凄い」
朝から、大阪に移動し、日帰りで東京に戻る。
授業の前後には、個人コンサルもしている。
その帰りの新幹線。
新幹線の中から、電話してくれる。
今日の授業の話。
「今日の授業の復習を、僕がしてもらってる」
授業のための準備を徹底的にする。
そして、授業の後は、生徒よりも、復習する。
こうして、あなたは学びを深めていく。
深まらないほうが、おかしい。
「探求フェチだね」
復習は、直後が、気づきがある。
ヘトヘトのはずなのに、むしろ、冴えている。
レースの後のF1ドライバーのよう。
時折、電話が途切れる。
トンネルかな。
車内アナウンスが聞こえる。
今、どのあたりかな。
通りすぎる車掌さんの声が聞こえる。
あなたが、車掌さんに感じよく、会釈している姿が浮かぶ。
あなたは、デッキに立っている。
それでも、あなたは小さめの声で、話している。
ドアの直ぐ側で、眠っているお客さんを起こさないために。
車内アナウンスが、聞こえた。
「まもなく、品川」
あっ。
2時間20分以上も、話してしまった。
せっかくのグリーン車の席を、ずっと立たせてしまった。
電話を切った後、あなたからメール。
「バッテリーが残り1%だった」
やっぱり、あなたは007。



【中谷先生のおすすめ電子書籍TOP3】 紹介記事はこちらからどうぞ