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#978 出会った頃の、ままで。

あなたの再会の仕方が好き。
あなたと、レストラン。
マネージャーさんが、お皿をドシンと、置いた。
あなたは、ニコニコしている。
そうか。
マネージャーさんは、雑に置いたのではなかった。
緊張のあまり、かっこよく置こうとして、失敗した。
マネージャーさんは、あなたに緊張していた。
あなたは、決して、緊張感をかけない。
それでも、あなたを知っている人は、緊張する。
それは、仕方がない。
あなたは、まわりの人の緊張を解すのがうまい。
それは、いつも緊張されているから。
怖くてではなく、好きでの緊張。
女性だけでなく、男性も緊張している。
あなたを知らない人も、緊張する。
きっと、何かの人に違いないと感じるから。
女性は、なおさら。
そして、意外にも、フレンドリーなので、また驚く。
緊張の後の、緩和。
思わず、微笑んでしまう。
あなたは、サービスマンになったら、きっと成功した。
そうか。
今でも、あなたはすでに、サービスマン。
突然、あなたの表情が、変わった。
笑顔が、さらに笑顔になった。
ふりかえると、あなたの視線の先には、もうひとりの笑顔の男性がいた。
二人は、笑顔のまま、見つめ合った。
再会した恋人みたいだった。
あなたは、立ち上がって、その男性と握手した。
見つめ合ったまま。
何も、言わない。
二人の幸せそうな表情。
そのお店のオーナーだった。
20代でそのお店を立ち上げた頃からの付き合い。
出会った頃の年齢の二人が、そこにいた。



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