#991 一緒に、いく。
あなたの「同時」が好き。
仕事の後、あなたと、会った。
今日、仕事先で、怖いことがあった。
「今日ね、怖いことがあったの」
するとあなたは、こう言った。
「怖い」
笑って、しまった。
私は、まだ、何があったかは話していない。
話を聞いていないのに、あなたは、
「怖い」
と、言っている。
言うだけではない。
本当に、怖がっている。
体験したのは私なのに、怖がっている。
しかも、私以上に。
まるで、女の子と話しているみたい。
男性は、こう言う。
「何が、あったの?」
出来事を聞いてから、
「それは、怖かったね」
と言う。
たしかに、間違ってはいないんだけど。
男性は、出来事に関心がある。
あなたは、私に、関心がある。
何があったかは、どうでもいい。
とにかく、怖がっている私に、関心を持ってくれている。
一緒に、怖がってくれる。
なにがあろうが、怖がっているのは、事実。
プレイバックすると。
あなたが、「怖い」と言うのは、早かった。
「今日ね」
と私が言った時に、すでに
「怖い」
と、言っている。
私が言うのと、同時に。
サッカーのビデオチェックだと、あなたの方が、速い。
あなたは、私が言う前に、私の気持ちを感じてくれた。
あなたと、一緒に、いった。