プレミアがつき、中々読むことができなかった貴重な作品
G・Rナンバー5は石ノ森章太郎の作品で週刊パワァコミックにて1974年から1975年にかけて連載されたSFマンガで石ノ森章太郎作品の中で怪作と呼ぶ声もある作品。
主人公のアキラは、家族とのドライブ中に大事故に遭います。それは、「ディメンション・クレバス(時空の裂け目)」を越えて逃亡してきた少女・ロリへの攻撃によるものでした。アキラは家族と、自分の肉体のほとんどを失い、猿丸博士のサイボーグ手術によって、サイボーグとして復活。異次元からの侵略者と戦いながら「ディメンション・クレバス」を修復する修繕屋「グループ・リペア(G・R)」の5番目のメンバーとして活動を始めます。
最初はどこか頼りなく、異次元からの侵略者との戦いでもいまいちパッとしない主人公のアキラですが、少しずつ頼りがいのある主人公として成長していきます。脇を固めるロリやヒューなど、ほかの登場人物もそれぞれ魅力的です。
編集者から「サイボーグ009のような作品を書いてほしい」と依頼されて執筆したという本作は、キャラクターデザインや主人公の設定も似ており、一見すると「009シリーズ」の外伝のようにも見られます。単行本は既に絶版しており、古本屋では1冊数千円のプレミアがついています。ファンの間では長らく復刻が待ち望まれてきた作品。ぜひ、電子版で読んでもらいたいと思います。