精霊の守り人

精霊の守り人【電子書籍】

精霊の守り人【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
上橋菜穂子 360 ★★★★★

NHK放送90年大河ファンタジーとして放送中

擦り切れた衣服に、頭陀袋を短い槍に引っかけて、歩く人影。引き締まった体つきと、精気が満ち溢れた瞳は、武術の心得があるものであれば相当な手誰であると感じさせる力強い気配。化粧っ気がなく、精悍だが端正な顔立ちをした女性。彼女の名前はバルサ。巷では「短槍使いのバルサ」と呼ばれている凄腕の傭兵だ。
バルサがとある山でつり橋を渡っている時の事、上流の方を見上げるとつり橋より上の山道をニ十人の従者を伴った牛車が一台進んでいた。きらびやかな牛車は皇族のそれと一目でわかる豪華さだった。
皇族の牛車と摺れ違うとなれば、通り過ぎるまでは土下座をして待たねばならないが、自分の歩いている場所より上流、バルサの姿など見えてはいない。ただ、その牛車と山の紅葉が実に絵になると見惚れていた。
ところが、突如牛車を引いていた牛が暴れ出し、牛車から放り出された人影が川に落ちた。流されてくる人影を助けようと川に飛び込むバルサであったが…。
中央アジアから中国、朝鮮半島を含む大陸文化を取り入れた独特な雰囲気で描かれる、児童文学ファンタジーの傑作。

みんなの感想

◆独特の世界観

ファンタジーと聴いて最初に浮かぶのは、剣と魔法、ドラゴンなどの幻想的なモンスターなど、西洋ファンタジーだが、この作品は地名や人名、作中で描かれているのはアジアンテイストを感じさせる独特のファンタジー世界だ。精霊、呪術などの民間伝承や、土着の民の信仰を中心としたエスニックな雰囲気が作中の世界観を読んでいる時、どこか懐かしさを感じられるのは、やはり我々に近いアジア圏の空気が馴染みやすを感じさせているのかもしれない。

◆設定の緻密さと読みやすさ

作中で語られる様々な設定、舞台となる新ヨゴ皇国はどんな場所なのかどんな文化を持っていて、どんな人々が暮らしているのか。どんな文化を持っているのか。もちろん独自のファンタジー世界を作るには細かい設定が必要なのは分かっていますが、物語の何気ない描写にも背景が見え隠れしていて、世界観に浸れるので面白いです。また、この作品は児童文学として作られたとのことで、なるほど言われてみると難しい表現があまりなくて、読みやすいと感じました。




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