#147 Sな感じですね

あなたの、第一印象が、好き。
あなたに初めて会った時に、私があなたに言った言葉を、今でも覚えている。
「Sな感じですね」
どうして、そんなことを言ったのだろう。
そんなことを言うのは、初めてだった。
「Sっぽいですね」でもない。
「Sですね」でもない。
「Sな感じですね」
初対面でいきなり。
その後、どんな会話をしたか、覚えていない。
その後の会話は、もはや、どうでもよかった。
あなたは、「何を言ってるの」という顔をしなかった。
受け入れてくれた。
実際、そんな感じがした。
「Mな感じですね」だったら、笑い話にできる。
「Sな感じですね」は、本気の会話になってしまう。
自分から、「Mなので、よろしくお願いします」と言っているようだった。
あなたがSでなければ、「よろしくお願いします」という裏の意味も、感じ取ってもらえなかった。
私は、自分ではSだと思っていた。
まわりの友達も、私をSだと思っている。
にもかかわらず、あなたに会った時、感じた。
私は、Mなんだな。
Sな私を、MにしてくれるSな人を、探していたんだな。
やっと、会えた。
まわりには、人がいっぱいいるのに、そんなことを言ってしまった。
これは、言っておかなければならなかった。
これさえ言っておけば、もう後は、笑い話をしていればよかった。
大人のあなたは、きちんと私の言葉のメッセージを受け取ってくれて、きちんとまわりに気づかれないように、ナチュラルな会話に溶け込ませて、カモフラージュしてくれた。
直観的に感じた。
もう、一生、この言葉を他の人に言うこともないことも分かっていた。
ハチが、一生に一度だけ、刺せる針を使ってしまった。

 

~次回は1月29日(金)更新予定です~



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