#148 まなざしに、抱かれて

 あなたの、まなざしが好き。
 あなたは、私を、まなざしで抱きしめてくれる。
 あなたを、見つめる。
 見つめるつもりはなかった。
 ちょっと、見ただけだった。
 私は、相手の目を見るのが苦手。
 つい、目をそらしてしまう。
 なのに。
 あなたを見たら、目線をはずせなくなった。
 あなたが、私のまなざしを、抱きしめてくれた。
 嫌な感じじゃない。
 強い目ではなく、優しい目。
 ずっと、こうしていた。
 私のまなざしを、あなたのまなざしが抱きしめてくれている。
 心地いい。
 見つめられているのに、目線がぶつかっている感じがしない。
 お寺に行った時に、仏像を見た時の感覚を思い出した。
 目をそらしたいとも思わない。
 あなたを見ている私が、いる。
 その私を、あなたのまなざしが、まるごと包み込んでくれている。
 無重力空間に、漂っている感じ。
 何かを、目で訴えているわけでもない。
 沈黙のまなざし。
 体中の力が抜けていく。
 時間感覚も、なくなっていく。
 気がついたら、10年くらいたっていたら、どうしよう。
 それでも、かまわない。
 今、私はどこにいるのかも、わからなくなった。
 あなたのまなざしの中にいる。

~次回は2月1日(月)更新予定です~



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