#152 あなたに、筆で書かれたい

あなたの、筆遣いが好き。
あなたが筆で字を書いている。
墨の香りが、立ち上る。
筆の当たりが、柔らかい。
優しい。
紙に、体重をかけない。
当たるか、当たらないか、ギリギリのところを、筆が動いていく。
まるで、紙を愛撫しているかのよう。
紙が、感じている。
見ている私まで、紙が感じているのが、伝わってくる。
紙が、「もっと」と求めている。
紙が、「じらさないで」と求めている。
私も、同じ気分になる。
私の身体を、筆で撫でられているみたい。
筆じゃない。
これは、あなたの指。
紙を上を、あなたの繊細な指が、たどる。
私の身体の上を、あなたの筆がたどる。
筆の毛の質感を、感じる。
書道って、こんなにセクシーなものだったなんて。
あふれてくる。
墨の一滴すら、セクシーに感じてくる。
速いところ。
ゆっくりなところ。
フェイントをかけるような、動き。
3拍子のワルツにもなり、4拍子のフォックストロットにもなる。
ダンスを、踊っている。
あなたに筆で愛撫されている、この和紙になりたい。
もう、なっている。

 

 

~次回は2月15日(月)更新予定です~



【中谷先生のおすすめ電子書籍TOP3】 紹介記事はこちらからどうぞ



» page top