#153 あなたの空気に、包まれて

あなたと、美術館に行くのが好き。
あなたと、美術を見るのが好き。
美術を見ているあなたが、好き。
大きな部屋に、彫刻が1つ、置かれていた。
その彫刻が置かれているだけで、部屋の空気が変わる。
一流の彫刻は、空間を変えてしまう力がある。
ただキレイや、リアルと言うだけではない。
その部屋に入っただけで、彫刻を見る前に、この部屋に何かがあると、感じさせる。
その美術館は、どの部屋に入っても、何かがある感じがした。
しばらくしてから、気づいた。
その空間に何かがある感覚は、彫刻からだけ、出ていたのではなかった。
それは、あなたから、出ているものだった。
さっき、カフェで待ち合わせした時、お店が混んでいた。
すぐ、あなたを見つけることはできなかった。
あなたは見えなかったけど、あなたがいることは、感じていた。
部屋の空気が、違ったから。
あなたがいないことも、わかる。
その空間に、何も感じないから。
その前は、私が先に着いていた。
私は、本を読んでいた。
本の世界に、夢中になっていた。
なのに、あなたがカフェに入ってきたのが、わかった。
空気が、変わったから。
あなたは、一流の彫刻に似ている。
一流の彫刻が、あなたに似ている。
あなたは、部屋中の空気を、変えてしまう。
あなたが変えた空気の中に包まれるのが、好き。

 

~次回は2月19日(金)更新予定です~



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