#163 きちんとした服装を、味わう
あなたの、きちんとした服装が、好き。
きちんとした場所でしているだけじゃない。
きちんとしなくていい場所なのに、きちんとした服装をしているのが、好き。
きちんとした服装は、どうしてそんなにセクシーなんだろう。
一見、ラフな服装のほうがセクシーに見える。
あなたのきちんとした服装は、ラフな服装より、セクシー。
たとえ、オールヌードと比べても、セクシー。
丸裸は、セクシーじゃない。
服装は、きちんとすればするほど、セクシーになる。
きちんとした服装は、手間がかかる。
めんどくさい。
そのめんどくささを、いとわない。
脱いでいく時より、着ていく時の方が、セクシーに感じる。
あなたのきちんとした服装を、そのまま味わいたい。
あなたのきちんとした服装は、老舗の和菓子に似ている。
老舗の和菓子は、食べるのがもったいない。
芸術品を食べることなんて、できない。
食べて消えてなくなるお菓子を、芸術にまで高める。
老舗の和菓子は、恐れ多いセクシーさがある。
あなたのきちんとした服装は、食べることができない老舗の和菓子と同じくらい気高く、恐れ多い。
本当のセクシーは、気高く、恐れ多いものに違いない。
気高さとセクシーは、相反するものじゃなくて、共存するものに違いない。
仏像にも、セクシーを感じる。
聖母像にも、セクシーを感じる。
だから、あなたのきちんとした服装を、しばらく脱がさないで、味わいたい。