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#164 キスもしないで、隣で眠る

 あなたの隣で、眠るのが、好き。
 気がついたら、眠ってしまっていた。
 さっきまで、お話ししていた。
 ベッドで、腕枕して。
 笑って。
 私のほうが、先に寝てしまったかな。
 キスも、まだしていなかった気がする。
 出会って、キスもしていない人の隣で、寝てしまったなんて、私にとって、初めての経験。
 こんなことって、あるのかしら。
 隣で眠るって、よっぽど、心を開いていないとできない。
 キスをして、エッチもした人じゃないと、隣で眠るなんてできないと思っていた。
 あなたは、違った。
 キスもしてない。
 エッチもしていない。
 なのに、気がついたら、隣で眠ってしまっていた。
 安心した。
 キスよりも、エッチよりも、隣で眠るって、安心しないとできない。
 どんなに眠くても、眠れない。
 眠くならない。
 隣で眠るって、最高に心を許した状態。
 それは、原始時代から、女の子の脳にインプットされているに違いない。
 隣で眠るって、最高に無防備な状態。
 目が覚めて、1秒後。
 あなたが、キスしてくれた。
 最初のキスが、目覚めのキスなんて。
 まったく、自然だった。
 100万回してきたようにナチュラルな「おはよう」のキスだった。



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