累計発行部数2000万部の大ヒット作
750ライダー(ナナハンライダー)は、1975年から1985年まで『週刊少年チャンピオン』にて連載された石井いさみの人気作品で累計発行部数2000万部を誇ります。
本作は、HONDAの750ccのバイク、ホンダ・ドリームCB750FOURをこよなく愛する高校2年生・早川光とその仲間たちとの交流を描いた作品、それが「750ライダー」です。1975年、まだまだバイクを走らせているだけで「不良」と呼ばれた時代に連載が開始され、単行本は50巻を数えるまでのロングランになりました。
連載当初は主人公の光はまさに一匹狼。学校の教師からはバイクを走らせていることで目の敵にされていたり、暴走族から無謀で危険な勝負を挑まれたりと、反社会的でアウトローな内容でしたが、回を重ねるにつれて、純粋にバイクが好きな仲間や親友たちとの交流を描いた青春グラフティーへと変化していきました。
この主人公や主人公を取り巻く環境の変化も長期連載ならではの面白さともいえます。四季折々の変化や同級生との淡い恋模様などの心情描写も巧みであると同時に、精密で緻密なバイクや車のメカニカルな描写も魅力的なものとなっています。当時、サザンオールスターズの桑田圭祐もこの「750ライダー」のファンで、たびたび自身のラジオ番組で話題にし、作者の石井いさみ氏をゲストとして招いたこともあったそうです。
バイク好きはもちろんのこと、バイクにそれほど興味がない人にも楽しめる読後感が爽やかな青春グラフティーとして楽しめる名作です