電子書籍の書評ランキング

 
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文藝・小説・エッセイ・詩集

死にぞこないの青

死にぞこないの青 著者 ページ数 クチコミ評判
乙一 212ページ ★★★☆☆
なんて悲しくて救いようがない話なんだろう。物語の最後の最後までそう思っていました。しかし、最後の最後に出てきたセリフにはっとしてしまいました。悲しい気持ちが洗い流された気がしました。もしかすると今までのことはここを読ませたいための前ふりだったのではと思ってしまうくらいです。すごくリアリティに溢れた内容にはなっていますが、ぜひこのラストの部分を読んでほしいです。>もっとみる

ゴールデンスランバー【電子書籍】

伊坂幸太郎のゴールンデン・スランバー 著者 ページ数 クチコミ評判
伊坂幸太郎503ページ★★★★
ストーリーテリングの評価が高い伊坂幸太郎が見事な手腕で読者を最後まで楽しませてくれます。荒唐無稽なテーマを軽妙洒脱に書き下ろして読者を惹きつけるのが本当に上手で、伊坂作品に共通することですが、登場人物の一人一人が実に魅力的で躍動感を感じさせます。この作品の登場人物で一番惹かれたのは主人公の父親です。脇役ではありますが主人公が全国指名手配され、実家にマスコミが殺到した時の対応は、本書を読みながら「あんな父親になりたい」と思わずおやじに憧れを持ってしまうほどの力量とパワーです。登場人物一人一人から息吹が感じられます。>もっとみる

失はれる物語 【電子書籍】

乙一失はれる物語 著者 ページ数 クチコミ評判
乙一381ページ★★★★☆
私が特に好きな話は『しあわせは子猫のかたち』です。内気な大学生である「ぼく」が思いがけずお茶目な幽霊と同居することから始まる話なのですが、序盤はいたずら好きの幽霊とそれに翻弄される主人公というほのぼのとした雰囲気が漂っているものの、後半から急にサスペンスに変化し、終盤では切なさが胸に残りますが同時に心が晴れる気持ちにもさせられます。>もっとみる

沖で待つ 芥川賞受賞作品【電子書籍】

沖で待つ 著者 ページ数 クチコミ評判
絲山秋子 76ページ ★★★☆

134回芥川賞受賞の短編小説

沖で待つ」は、絲山秋子の短編小説で第134回芥川賞受賞作品です。この『沖で待つ』は非常に読みやすい文体だというのが第一印象です。男女間、ただこれだけではなく同期入社という良いバランスの人間関係。人物がぽんと発するセリフであったり心情であったり、非常にリアリティを感じさせつつも、詩、死、HDD・・・これらの取り合わせ方、バランスが絶妙だったように感じます。 「沖で待つ」このフレーズは、きっと読む前には違う響きを持ち、この本を手に取る人が多いのではないでしょうか。読みやすい文体はあえてこのスタイルで、小難しい技なしでも完成度の高さを感じるのはまさに芥川賞を受賞するにふさわしい作品です。 決して、学生時代の同級生とは違うこの距離感。社会人として生活をしている人であれば、沖で待つを読み終えた後は必ず前向きに、からっといい気分になれるのではないでしょうか。文庫版は合計3編収録されており、『勤労感謝の日』この短編も痛快な一作となっています。楽観的な主>もっとみる

中村家の食卓【電子書籍】

中村家の食卓 著者 ページ数 クチコミ評判
中村うさぎ 91ページ ★★★★☆

庶民派メニューから御馳走まで登場する「中村家の食卓」

エッセイストとして人気にある中村うさぎですが、最近は、食に関する作品を書いています。「中村家の食卓」は、中村うさぎによるはじめての食のエッセイとして知られた本で、多くの中村うさぎのファンからも共感のある本として人気となっています。この本では、庶民派メニューから御馳走まで紹介されていますが、中には、中村家の変わったレシピまで登場します。 この本を読んで中村家の食を試してみる人は多いようですが、好みについては、賛否両論のようです。中村家の変わったものでは、「トリ皮」や「シャケ皮」といった安物グルメも紹介しているというユニークな食が注目されています。>もっとみる

大絵画展  日本ミステリー文学大賞新人賞受賞  【電子書籍】

大絵画展 著者 ページ数 クチコミ評判
望月諒子 226ページ ★★★★★☆

魅力的な人物が織りなす日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品

第14回日本ミステリー文学大賞新人賞をとった、痛快ながらもスリリグなコンゲーム小説の傑作として評判が高いのが望月諒子の「大絵画展」です。 ロンドンのオークションでゴッホ作の「医師ガシェの肖像」を一人の日本人が競り落とします。落札価格は、約百八十億円というとんでもない金額でした。その後、時は流れていき日本のバブルがはじけて、借金で追い詰められた男女に対してある依頼が持ちかけられます。それは、倉庫に眠っていた「ガシェの肖像」を盗んでほしいという依頼でした。 依頼された資産家で駄目な男と、借金に追われているホステス、そして売れない若手画家や、画廊やなどそれぞれが個性溢れる登場人物で繰り広げられる話になっています。>もっとみる

パリのトイレでシルブプレ~~! 中村うさぎの書き殴り劇場【電子書籍】

パリのトイレでシルブプレ~~! 中村うさぎの書き殴り劇場 著者 ページ数 クチコミ評判
中村うさぎ 137ページ ★★★★☆

嘘のような信じられない話が人気

世の中には、面白い本がたくさんありますが、自分の生活をあからさまにするといった人も少なくはありません。作家でエッセイストの知られた中村うさぎも、その一人です。中村うさぎはご存知の通り女性ですが、エッセイストして自分の生活をあからさまにすることで人気があります。彼女の作品では、たとえば「パリのトイレでシルブプレ~~! 中村うさぎの書き殴り劇場」という本があります。 この本の内容は、中村うさぎが、パリのトイレで体験したことや疾走ナプキン娘、横浜東口ウンコ事件、悪夢の借金地獄などといったシモネタ上等の内容が人気となっています。この本は、爆笑書きなぐり集として読者には好評の本で、ストレートに自分の恥部をさらす中村うさぎに好感が持てるという人が多いとされています。>もっとみる

家族狂【電子書籍】

家族狂 著者 ページ数 クチコミ評判
中村うさぎ 22ページ ★★★★☆

幽霊とストーカーに悩みながらもギャグのような描写

小説を書きながら、自虐エッセイを書くことで知られた中村うさぎさんの小説は、多くの小説ファンから人気のある作家として知られています。 中村うさぎさんの「家族狂」は、非常に面白い本の一つですが、その内容は、幽霊が出るといった小説で、ギャグとしか思えない内容は、中村うさぎさんらしい小説として多くの人から人気があります。この小説では、突然、自分の家に家族の幽霊が住み着くようになるといった怖い内容ですが、さらに、家には自分を目当てとするストーカーが現れるようになります。しかし、これは、自分が封印していた過去が明らかにされてしまうといった内容となっています。>もっとみる

アヒルと鴨のコインロッカー 第25回吉川英治文学新人賞受【電子書籍】

アヒルと鴨のコインロッカー 著者 ページ数 クチコミ評判
伊坂幸太郎 384ページ ★★★★

仙台が舞台のミステリー小説

独特の世界観と、現代・過去が相互に織りなす物語が特徴的な新感覚ミステリー作品、伊坂幸太郎著、第25回吉川英治文学新人賞受賞作となっており2007年同名映画化されています。 このアヒルと鴨のコインロッカーという作品ですが、最初はこのタイトルの意味がわからない、理解できないという人が殆どでしょう。しかし、最後まで読み進めることによって意味が明らかになります。それがこの作品の一つの楽しみであると言えるでしょう。 新入生として大学に入学をするとある青年が仙台にやってきたところから物語は始まります。 不思議な隣人との出会いが主人公の学生生活に影響を与え始めるのですが、物語が現代と過去と交互に飛び、少しずつ物語の真相が明らかになってきます。>もっとみる

沈黙のフライバイ  星雲賞受賞(短編)作品 【電子書籍】

沈黙のフライバイ 著者 ページ数 クチコミ評判
野尻 抱介 264ページ ★★★★☆

リアリティあふれたSF小説 星雲賞受賞(短編)作品

SF小説は取材や資料等でどこまで現実にそくした話にできるかでリアリティが決まります。この「沈黙のフライバイ」は、そのリアリティが見どころの一つであるといえます。 もちろんSF小説なので現実は無視しても話を作ることは可能なのですが、本作は過去に実際に行われた宇宙開発事業を扱っているのでそこからどう発展するのかが読者の空想を刺激させます。また女子大生という全くの素人の思い付きの話は、読者にとって自分の空想のみの世界ではなく、現実の身近な世界としてとらえることもでき夢が大きく膨らんだ気がします。 世間では知られていないけれども、科学の世界ではそれが常識であり真実であるという事が存在します。自分の思い込みや今までの経験則を一度まっさらにすることも、人生において大切な事なのかもしれません。>もっとみる