電子書籍の書評ランキング

 
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文藝・小説・エッセイ・詩集

じらしたお詫びはこのバスジャックで ボイルドエッグズ新人賞【電子書籍】

大橋慶三のじらしたお詫びはこのバスジャックで 著者 ページ数 クチコミ評判
大橋慶三 212ページ ★★★

爽快なカタルシス

「じらしたお詫びはこのバスジャックで」は滝本竜彦や万城目学を輩出した文学賞、ボイルドエッグズ新人賞でデビューを果たした大橋慶三の小説作品です。 バスと言う密室空間を舞台に繰り広げられるユニークな物語展開が話題を集めています。バスジャック犯は自称「人を殺せるのに殺さない男」。バスジャック犯に占拠されているバスに乗り合わせた8人は、それぞれ複雑な事情を抱え、思わぬ展開に話が進みます。 「じらしたお詫びはこのバスジャックで」に登場する人物は、マイペースにも程がある・・・と言う個性的なキャラクターばかり。読んでいる最中から結末が気になって気になって仕方なくなるところも>もっとみる

〔映〕アムリタ 2009年電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作品【電子書籍】

[映]アムリタ 著者 ページ数 クチコミ評判
野﨑 まど 242ページ ★★★☆
〔映〕アムリタは、一見したところ、ミステリー調の青春小説として捉えることができる小説でもあります。青春小説、或いはジュブナイル小説と言ってもいいのですが、最高の映画を制作することを求めて、大学の映画サークルの仲間が映画作りに没頭していく姿や、その映像芸術を極限まで求めていけるヒロインの姿は、ある意味とても青臭くあり、若々しくもあります。 そして、この物語の大道具として使用される映画作りと言うことに対するヒロインの映像制作能力は、ジュブナイル小説にありがちな天才的なものであり、そこには若さゆえの葛藤と言うものもみられません。>もっとみる

うさぎの部屋【電子書籍】

うさぎの部屋 著者 ページ数 クチコミ評判
中村うさぎ 57ページ ★★★★☆

悩みを解決する中村うさぎの人生相談

誰でも悩みはあるものです。その悩みは人それぞれ異なるもので、それが他の人にとってはたいしたものでなくても、自分の中では非常に大きな悩みであるといったこともあります。このようなさまざま悩みの解決に相談に乗ってくれる人がいたら、どんなに心強くて、安心できることでしょう。 エッセイストとして知られている中村うさぎの「うさぎの部屋で」では、「中村うさぎの人生相談」が好評となっています。この本では、タカナシクリニック髙梨院長中村うさぎが「中村うさぎvsマッド髙梨 ガチBLOG!」の中で、美容整形に関してリアルタイムに相談に乗っています。>もっとみる

茉莉花(サンパギータ) 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品 【電子書籍】

茉莉花(サンパギータ) 著者 ページ数 クチコミ評判
川中大樹 387ページ ★★★★★

人間味あふれるやくざが魅力の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品

『茉莉花(サンパギータ)』は、川中大樹の作品で日本ミステリー文学賞で新人賞を受賞した作品です。主人公は横浜の暴力団の組長ですが、彼の率いる暴力団は裏情報の取引によって生計を立ててはいるものの、義理や人情に溢れる清く正しいやくざであるという点が、一般的なやくざの描写とは異なった、この作品特有の設定となっています。主人公を始め、主人公の家族もやくざ仲間も、「やさしくていい人」という設定が徹底されているため、読者は登場人物たちに好感を持ちつつ物語を読み進めることができます。 この物語の見どころは、日本とフィリピンという二つの異なる国で起こった互いに全く関係のなさそうな事件が、実際は裏で複雑に絡み合っているという点です。主人公は、幼馴染でゲーム屋を営んでいた友人武雄が突然何者かに殺害された事件を長年追っていました。そしてひょんなことから、自宅にホームステイしているフィリピン人のシェリーが両親を火事で亡くした事件を知り、その事件の中に自分の追っている事件との共通点を見つけ出すのです。>もっとみる

おちゃらけ王 第17回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作【電子書籍】

おちゃらけ王 著者 ページ数 クチコミ評判
朽葉屋周太郎 332ページ ★★★

第17回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作品

「おちゃらけ王」は、メディアワークス文庫より出版されている、朽葉屋周太郎著作の一般小説です。2010年第17回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作品となります。 この作品は、かつては無類の馬鹿者だったけれど、今や怠惰な大学生に成り果てていた主人公・名雪小次郎。そんな彼の前に、幼少からの腐れ縁である「魔王」が現れ、用心棒を頼みたいと言い放ちます。多くの人間からお金を借りている魔王は、借金取りたての債鬼から逃げ回らなければならないのだと言います。そして、まんまの魔王の策略に嵌められてしまった小次郎と、魔王との2人の逃亡劇が始まります。>もっとみる

氷菓 ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞【電子書籍】

氷菓 著者 ページ数 クチコミ評判
米澤穂信(著)上杉久代(イラスト)清水厚 (写真) 217ページ ★★★☆

第5回角川学園小説大賞 ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞

この作品を読み始めたときは、省エネ主義の主人公折木奉太郎が古典部に入るきっかけとなった姉の供恵の手紙がちょっと押し付けがましいように思い、ストーリー導入部分でとっつきにくさ感じたのですが、物語が動き出すとすぐに引き込まれてしまいました。 この作品の見どころは、今ここの謎解きをしているように見せて、33年前の事件といつの間にかリンクしていくというストーリーテリングの妙だと思います。でもそれだけでなく、古典部部長である千反田える主体の謎解きと平行して奉太郎のストーリーが同時進行していくところも魅力です。奉太郎の性格や思考回路、言葉などはとても理屈っぽく感じられ、現代の高校生らしくないと感じてしまうとろもありましたが、奉太郎が「灰色」の、人との関係にコミットしていかない性分だからこそ、姉は強引にでも古典部への入部を勧めたのだな、と納得できました。>もっとみる

風立ちぬ

風立ちぬ 著者 ページ数 クチコミ評判
堀辰雄 ほり たつお 93ページ ★★★★☆
活字中毒ともいえる読書愛好家の私は、日々多種多様なジャンルの書籍を乱読しています。その中でも、やはり日本の純文学を読みというのは格別な楽しみがありますね。そんな訳で手に取ったのがこの書籍、掘辰雄の「風立ちぬ」です。>もっとみる

冥土めぐり 第147回芥川賞受賞作品【電子書籍】

冥土めぐり 著者 ページ数 クチコミ評判
鹿島田真希 156ページ ★★★☆

第147回芥川賞受賞作品「冥土めぐり」

「冥土めぐり」で第147回芥川賞を受賞した鹿島田真希氏は、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞など、新人文学賞として名のある三冠に輝いたほか、絲山賞なども受賞しています。若かりし頃にはロシア文学にも傾倒した時期がありましたが、大学ではフランス文学を専攻したことで、鹿島田真希氏の文章にはフランス文学の影響を色濃く感じることができます。 「冥土めぐり」は、過去の裕福であった生活の思い出ばかりにしがみつく母親と、すでに生活に窮している母親にお金の無心を繰り返す弟、この二人との生活から逃げ出すこともせず、ただ淡々と日常を過ごしていましたが、解放されたのは夫との結婚によってでした。>もっとみる