電子書籍の書評ランキング

 
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文藝・小説・エッセイ・詩集

スウィッチ 【電子書籍】

スウィッチ 著者 ページ数 クチコミ評判
アマンダ・ホッキング 260ページ ★★★
<スウィッチ あらすじ/作品紹介> 『スウィッチ』は、当時無名の作家だったアマンダ・ホッキングが2010年に電子書籍で刊行した小説です。米Amazon Kindleの自主出版サービスを利用して世に送り出された本作は、口コミを中心に話題を呼び“第2のハリー・ポッター”、“第2のトワイライト”と評される大ベストセラーとなりました。電子書籍の自主出版という目新しい手法から誕生したスター作家、アマンダ・ホッキングのシンデレラ・ストーリーは米国内に留まらず、世界中で話題となっています>もっとみる

電気作家(電子書籍)

電気作家 著者 ページ数 クチコミ評判
荻野アンナ 97ページ ★★★★

東日本大震災での自らの体験を元にした小説

『電気作家』は1991年に『背負い水』で芥川賞を受賞した荻野アンナの作品です。この作品は、東日本大震災にまつわる著者自らの体験を綴った小説であり、震災後の世間のムードや周囲の言葉に呼応して揺れ動く心情を素直に吐露している。 『電気作家』という半ば自嘲気味の表題を掲げ、時にユーモアを交えながら、努めて冷静に物事を捉えようとする姿勢に、彼女の作家としての挟持が伺える。>もっとみる

小野寺の弟・小野寺の姉 【電子書籍】

小野寺の弟・小野寺の姉 著者 ページ数 クチコミ評判
西田征史 123ページ ★★★★☆

2014年10月公開の映画原作小説

「小野寺の弟・小野寺の姉」は、脚本家であり演出家でもあり、幅広くヒット作品を生み出してきた『西田征史』の初の小説作品です。2014年10月25日には、同名タイトルの映画化作品が公開(主演:向井理・片桐はいり)。 「小野寺の弟・小野寺の姉」は、東京の片隅の木造一軒家に2人で暮らす弟の小野寺進と姉のより子の、ほのぼのとした日常を描いた作品です。それぞれ失恋の痛みをひきずりながらも、冴えないけれどささやかな幸せを大切にしながら暮らす進とより子。40歳になっても彼氏もいない姉のより子は、母親のように家事をこなして、30歳を過ぎた弟の進は、そんなより子に幸せになってもらいたいと心の中ではいつも願っています。>もっとみる

包丁人侍事件帖 将軍の料理番 【電子コミック】

包丁人侍事件帖 将軍の料理番 著者 ページ数 クチコミ評判
小早川涼 277ページ ★★★★☆

史実にスパイスを利かせた傑作料理

時代劇ミステリーとも言うべき小早川涼による人気シリーズ「包丁人侍事件簿」の一冊が「包丁人侍事件帖 将軍の料理番」です。 天性の鋭い嗅覚から江戸城の台所人として仕えている鮎川惣介は、身分的には高いものではないものの、度々将軍からお声がかかり、話し相手をさせられています。 そのやっかみもあって「台所に身をやつした御庭番」などと揶揄する声もあり、本人もそれを知らないわけではないものの、持ち前の飄々とした性格で荒立てるでもなく過ごしています。幕府に絡む謎などを嗅ぎつけては事件に巻き込まれ、幼なじみの御広敷・片桐隼人とともにそれを解決してゆきます。>もっとみる

未明の闘争 2013年野間文芸賞受賞作品【電子書籍】

未明の闘争 著者 ページ数 クチコミ評判
保坂和志 377ページ ★★★★☆

「私」を中心に描かれた、独特の構成が魅力

未明の闘争は、保坂和志の長編小説で、第66回(2013年)野間文芸賞受賞作品です。 本作は、冒頭の一文 「西武百貨店の手前にある「ビックリガードの五叉路」と呼ばれているところで、私は一週間前に死んだ篠島が歩いていた。」からかなりのインパクトがあり、読者を冒頭から釘付けにします。 語り手である「私」が、饒舌に押しつけがましくもなく、死んだはずの篠島やかつての飼い犬や飼い猫の声を聞きとってそれを代弁しています。 多くの話が入り乱れていきますが、また知らぬ間に元に戻っている不思議な世界です。決して、分かりにくくなく自然と物語に入って行き、いつの間にか物語に入りこんでしまう面白さがあります。>もっとみる

魔王 【電子書籍】

魔王 著者 ページ数 クチコミ評判
伊坂孝太郎 384ページ ★★★☆

自分の読んだことのない小説を

魔王は、シューベルトの歌曲がタイトルのもとになっている伊坂孝太郎の中編作品です。自分の読んだことのない小説を書きたいとの著者伊坂孝太郎の想いから生まれた作品。 物語の中心となるのは、ある兄弟と世の中を取り巻く不穏な空気との葛藤です。兄は、自分の考えた通りの言葉を、他人に好きなように発言させることができるという、特殊な能力を持っています。その弟は、おだやかな性格でありながら強さを秘めていて、勝負強いという能力があります。>もっとみる

猫間地獄のわらべ歌 【電子書籍】

猫間地獄のわらべ歌 著者 ページ数 クチコミ評判
幡大介 448ページ ★★★☆

このミステリーがすごい!2013年15位のバカミス作品

非常に評価の分かれる作品です。時代小説ミステリーという分類が一般的のようで、現に2013年度のこのミステリがすごい!ランキングでは15位に食い込んでいます。しかし、作中で作者自らがあるトリックを完成させるために『この小説は推理小説ではないではない』と作中人物に言い切らせているあたり、どのように受け取るか評価が分かれるところです。 猫間地獄のわらべ歌、何ともおどろおどろしいタイトルです。タイトル通りわらべ歌に見立てた連続殺人事件が起きるのですが、推理小説におけるこの題材は非常にハードルが高いことで知られています。アガサ・クリスティや横溝正史先生などそうそうたる大作家が名作を書かれているからです。あえてそう言った題材に挑戦されるということは非常に勇気がいることだと思います。>もっとみる

切れた鎖 第21回三島由紀夫賞【電子書籍】

切れた鎖 著者 ページ数 クチコミ評判
田中慎弥 164ページ ★★★★

とても豪華な田中慎弥の短編集

『切れた鎖』は2008年の第21回三島由紀夫賞を受賞した田中慎弥の作品です。この作品は、「不意の償い」「蛹」、そして表題作の3つの短編によって形成されています。 「不意の償い」は、無意識のうちに抱く罪悪感が複雑に絡み合って、それによって次第に精神のバランスを崩していく人間の脆さや不安定さを描いた作品です。作品が語られる目線は幾度も入れ替わり、時系列の進む方法も一定ではありません。全体を通して混沌とした印象を読者に与えながらも、どこか共感できるような不思議な感覚も同時に持たせます。不思議な魅力のある作品です。 「蛹」は,第34回川端康成文学賞作品で、社会化されつつある自己をカブトムシの幼虫に投影するという斬新な手法によって描かれた作品です。自信はあるのに外に出ることが出来ない、そんなもどかしさを抱える葛藤と、その自身がただの虚勢にすぎないということに気が付いた絶望が、繊細な筆致で描かれています。>もっとみる

悪童日記 【電子書籍】

悪童日記 著者 ページ数 クチコミ評判
アゴタ・クリストフ(著)/堀茂樹 (訳) 301ページ ★★★★☆

アゴタ・クリストフが描く傑作小説第一弾

『悪童日記』は、幼少期を第二次大戦の戦禍ですごし、政治体制が社会主義となった母国ハンガリーから西側に亡命したアゴタ・クリストフの処女小説で1986年に刊行された三部作の第一弾にあたる小説。2014年10月3日から日本でも映画が公開されている旬な作品。 悪童日記のストーリー展開は独特だ。それは、本作は主人公である「ぼくら」の視点で描かれた日記(作文)形式で物語が進むからだ。この作品の主人公「ぼくら」は幼い双子の兄弟で戦争が激化し大都市から田舎の祖母の元に疎開するところから物語は始まる。 徹底的に曖昧な描写を排除し作文を綴る『ぼくら』。彼らはお互いの日記について「良」か「不可」を採点し、曖昧な感情表現があるものは不可とし廃棄、そしてそのお題について書きなおさなければならい。>もっとみる

ふたりの証拠 【電子書籍】

ふたりの証拠 著者 ページ数 クチコミ評判
アゴタ・クリストフ(著)/堀茂樹 (訳) 302ページ ★★★★☆

衝撃的なラストで謎は深まるばかり

『ふたりの証拠』は『アゴタ・クリストフ』の処女小説『悪童日記』の続編にあたります。本作は「ぼくら」の半身が国境を越え、一方は「おばあちゃんの家」に帰ってきた前作の最終話の直後として物語は始まります。本作はこれまで読んできた内容はなんだったのかと思えるエピローグでの衝撃が待っています。 本作『ふたりの証拠』は、前作のような独創性のある作文(日記)でストーリは進まずすっかり普通の小説形式となっています。そこに不満がなければウソになりますが、いわゆる小説形式であっても楽しめる作品であることは間違いありません。前作『悪童日記』の登場人物たちもそうでしたが今回の「ふたりの証拠」の登場人物も一癖も二癖もあり、まともな人間はほとんどいないといった様相で退廃的です。しかし前作のぼくらのような神秘性は存在せず非常に人間臭い登場人物ばかりです。 また前作『悪童日記』では徹底して登場人物に名前がありませんでしたが、今作『ふたりの証拠』では「ぼくら」の一人である主人公にはリュカ(LUCAS)という名前を与えられています。もうひとりの「ぼくら」の半身クラウス(CLAUS)と別れたリュカは体調を崩してしまいます。そんな折かつてリュカ(LUCAS)とクラウス(CLAUS)の「ぼくら」で作った川に架けた端に女性ヤスミーヌがいて乳児マティアスを川に沈めようとしています。>もっとみる