電子書籍の書評ランキング

 
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コミック1960,s

章太郎のファンタジーワールド ジュン 第13回小学館漫画賞受賞 【電子コミック】

章太郎のファンタジーワールド ジュン 著者 ページ数 クチコミ評判
石ノ森章太郎 274ページ ★★★
<章太郎のファンタジーワールド ジュン あらすじ/作品紹介 第13回小学館漫画賞受賞> 章太郎のファンタジーワールド ジュンは、石ノ森章太郎の作品で『COM』にて、1967年から1971年まで連載された独創的な作品。漫画好きならばこういった特殊な構成の作品も是非押さえておきたい。第13回小学館漫画賞受賞作品。 章太郎のファンタジーワールド ジュンは、漫画家を目指し、漫画家への憧れを抱き、日々絵を書いたりと物語を考えることに明け暮れる主人公の章太郎は、厳格な父と一緒に暮らしています。ある日、章太郎の父親は、漫画家を目指す息子にそのようなくだらない夢を追いかけるのではなく、もっと地に足をつけて現実を生きろという意向から章太郎の書いた漫画を破り捨ててしまいます。傷つき落ち込んだ章太郎が、落胆にくれていると、一人の少女が現れます。章太郎は、その少女に導かれるようにして、様々な幻想世界を旅します。そして、旅を通して章太郎は成長し・・・・・。>もっとみる

ガラスの城 第16回小学館漫画賞 【電子コミック】

ガラスの城 著者 ページ数 クチコミ評判
わたなべまさこ 194ページ ★★★
<ガラスの城 あらすじ/作品紹介 第16回小学館漫画賞> ガラスの城は、『わたなべまさこ』によるヨーロピアンロマン風少女漫画で、週刊マーガレットにて1969年から1970年まで連載されていた作品です。 主人公は、ロンドンで穏やかに暮らしていた、双子の姉妹であるイザドラとマリサです。この姉妹の運命は、母親の事故死をきっかけとして大きく変わることになりました。イザドラは、母が残した遺品から、妹のマリサが伯爵の娘であると知ってしまいました。伯爵の娘は、失踪中ということになっていました。真実を隠し、イザドラは伯爵令嬢に成りすますことに成功しました。姉妹の人生は、入れ替わってしまったのです。美しくも残忍なイザドラは、自分の欲のために人を殺そうとしたり、策略を練ることに必死です。人の良すぎる妹マリサは、イザドラの行為によって翻弄されていくことになります。>もっとみる

佐武と市捕物控 第13回小学館漫画賞受賞 【電子コミック】

佐武と市捕物控 著者 ページ数 クチコミ評判
石ノ森章太郎 242ページ ★★★☆
<佐武と市捕物控 あらすじ/作品紹介 第13回小学館漫画賞受賞> 「佐武と市捕物控」は、石ノ森章太郎の作品で1966年に『週刊少年サンデー』で連載、1968年に『月刊ビッグコミック』に誌面を変え連載していた作品。1968年にはNET系列でテレビアニメ化もされ1971年にはTBS系列でドラマ化もされています。2011年は世代を超えパチンコ化もされた第13回小学館漫画賞受賞作品です。 江戸を舞台に下っ引きの佐武と、あんまを営む盲目の市が、殺人事件の解決に挑むミステリー連作短編集。捕縄術の名手である若い下っ引きの佐武は、故郷を飛び出して江戸に出てきたところを岡っ引きの佐平次に拾われ、下っ引きの仕事を始めます。>もっとみる

空気の底 【電子コミック】

空気の底 著者 ページ数 クチコミ評判
手塚治虫 290ページ ★★★

1960年代の手塚治虫の青年向け短編集

1968年から1970年にかけて青年誌で連載された、手塚治虫の連作短編集です。どの作品も短編とは思えないほど内容が濃く、テーマも恐ろしく深いものばかりです。同氏の『時計仕掛けのりんご』などと同じく1960年代末~の作品が集められています。 どのような作品が入っているかといえば、白人至上主義の将校が戦場で瀕死の重傷を負いますが臓器移植手術をうけることによって一命を取り留めたのですが、移植された臓器は黒人のものだったという『ジョーを尋ねた男』。 手塚治虫自ら出演し、企業の公害による環境破壊や人体への影響という問題に警鐘を鳴らした『うろこが崎』、マンホールに落ち死んでいったファンの女性を見殺しにしたDJの話しである『カタストロフ・イン・ザ・ダーク』など、サスペンス、ホラーといった様々な舞台設定で読者を惹きつけてくれます。>もっとみる

少年同盟 【電子コミック】

少年同盟 著者 ページ数 クチコミ評判
石ノ森章太郎 ページ ★★★

一味違ったヒーローが登場する石ノ森作品

少年度名は、石ノ森章太郎の作品で『少年』1962年連載と『朝日小学生新聞』1967年~1968年まで連載されたものが存在する作品で、『朝日小学生新聞』版のものは、読者に最終回を創造(想像)してもらい最優秀作をそのまま最終回として掲載するといったかなり思い切った実験的試みが行われた作品です。 皆さんご存知のように、石ノ森章太郎は様々なヒーローをこの世に誕生させてきましたが、その中でも特に今現在の時代にマッチしたヒーローといえば「少年同盟」に出てくるヒーローたちではないでしょうか。ヒーローといっても、この漫画に出てくるのは氏の代表作に見られるような仮面ライダーやサイボーグ009といった特別な存在ではなく、ごく普通の少年少女たちです。>もっとみる

I.L(アイ・エル) 【電子コミック】

I.L(アイエル) 著者 ページ数 クチコミ評判
手塚治虫 196ページ ★★★★☆

失敗作?天才の失敗作は、凡人の成功作よりも遥かに魅力的?

14編の短編から成るオムニバス漫画『I.L』(アイエル)は巨匠手塚治虫の失敗作と言われている漫画作品。本作は「ビッグコミック」(小学館)にて1969年から1970年にかけて連載されました。 確かに『I.L』(アイエル)の物語は、途中から当初のコンセプトとは外れてしまっています。目まぐるしく移り変わる時代についていけなくなったかつての一流映画監督は、ある日ひょんなことから普段は棺桶で眠り、望む姿に自在に変身することができるミステリアスな女性、アイエルを謎の紳士から譲り受けます。 吸血鬼を思わせるアルカード伯爵は監督に、アイエルを使って現実的なこの世を面白く演出して欲しいとお願いします。アイエルは監督がこうなって欲しい、と思った途端、別れた奥さんや母親、理想的な美女に変身し、現実の世界をドラマチックに演出します。 蛾を異常に愛する変態夫や風来坊なフーテン娘を愛するあまり殺人をおかす刺青師など、どのショートストーリーにも一筋縄ではいかない人物が登場し風変りな物語が続きます。>もっとみる

地球を呑む   【電子コミック】

地球を呑む 著者 ページ数 クチコミ評判
手塚治虫 258ページ ★★★

手塚治虫の隠れた名作

『地球を呑む』は手塚治虫の異色作品です。時代は昭和40年代、主人公は関五本松(せきのごほんまつ)という、金も女も興味なし、酒が飲めれば良いという酒豪の男です。彼は父の友人から、ホテルに泊まっているゼフィルスという名の女の正体を探るように依頼されます。ゼフィルスは死んだ母の復讐を実行中でした。その復讐とは「金を滅ぼすこと、世界中の法律や道徳を狂わせること、男を嬲って見下すこと」ゼフィルスは一人を指すのではなく、7人の姉妹が同じ女に変装している姿なのでした。 その1人ホテルに泊まっていたミルダを探るうちに五本松はゼフィルス姉妹の全世界を滅ぼす壮大な陰謀に巻き込まれていきます。今から40年も前に書かれた作品でありながら、現代社会にも通じるテーマなのは、手塚治虫の作品のテーマが人間の本質を問うものだからなのでしょう。作品中に出てくる土人の長老の言葉は現代人に対してのメッセージです。>もっとみる

きえる快速車 【電子コミック】

きえる快速車 著者 ページ数 クチコミ評判
藤子不二雄/久米穣(原作) 187ページ ★★★

「藤子不二雄」としてA、F両氏が合作していた初期作品

きえる快速車は、児童文学者「久米穣」の児童向け小説作品を、「藤子不二雄」が漫画化した作品です。1963年にマガジン誌上で連載され、単行本は全2巻が刊行されました。 主人公は坂口零太郎。父である坂口博士が、日本海軍戦闘機「ゼロ戦」の技術を生かし、本田モータースの協力を得て作り上げたスーパーカー「エンゼル号」に乗りこみ、数々のカーレースに挑みます。>もっとみる

シルバー・クロス 【電子コミック】

シルバー・クロス 著者 ページ数 クチコミ評判
藤子不二雄(A) 198ページ ★★★

隠れた名作!藤子不二雄(A)のアクションヒーロー漫画

本作シルバークロスは、藤子不二雄(A)がときわ荘に住んでいた頃に生み出して発表された作品で月刊誌「少年」にて1960年から1963年にかけて連載された長編アクション漫画です。今日では藤子不二雄(A)の作品としてはマニアックな部類に入る作品かもしれません。 内容はというと、世界の平和を守るために組織された十字警察のシルバー・クロスやブラック・クロスら7人のメンバーが、世界征服を企んでいる、独裁者カリギュラ総統が率いるスケルトン帝国と熾烈な戦いを繰り広げます。 シルバーやブラックはマスク、コスチュームを着用しており、この状態で戦います。こうしたスタイルは、今までにたくさん登場してきたヒーロー物や戦隊ものの先駆けとも言えるようなもので、興味深いです。作者は昔から、ガンマンが登場する西部劇が大好きで、自身もこうした作品を描いていたことがありますが、本作品は、銃による対決はもちろん、飛行機や戦車も登場します。>もっとみる

どろろ(コミック)【電子書籍】

どろろ 著者 ページ数 クチコミ評判
手塚治虫 204ページ ★★★★☆

一度打ち切りになった手塚治虫作品の傑作

手塚治虫作品としては有名どころとは言えない作品ですが、最高に面白い作品の一つと言っても過言ではないでしょう。一口に言ってしまうと、過酷な戦国時代に、さらに過酷な宿命を背負って生まれた青年・百鬼丸と、ひょんなことから行動を共にするようになったどろろとの冒険譚です。1967年に週刊少年サンデーで連載がスタートしましたが、当時の少年たちにおどおどろしい描写や陰鬱内容の為か支持を得られず打ち切りになっています。連載誌を冒険王に変えアニメ化に伴い連載が再び始まりました。 本作の見どころは、単純な冒険譚という、そんな単純な構図からは想像もつかないような手塚治虫の描写にあります。死体を齧っても生きなければ生きられないという戦国時代の生き馬の目を抜くような厳しさ、己の手を焼いてもわが子にかゆを食べさせようという母の愛、わが子を悪魔に売っても権力を手に入れようという男の野望、自らの足で大地を踏みしめるという感動、それらがあの単純でやわらかい線で見事に表現され、深く心に響きます。>もっとみる