電子書籍の書評ランキング

 
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電子書籍ニュース

#613 詩の暗唱は、声のキス

nakatani
 あなたの詩の暗唱が好き。  あなたが詩の暗唱をしてくれる。  世界が、そこだけ変わる。  あなたが詩を暗唱するとき、風のように始まる。  派手なイントロはない。 「さあ、今から暗唱するから、聞いてね」という前口上もない。...(2020年07月13日) >もっとみる

#612 地図より、テレパシーで

nakatani
 あなたの、地図を見ないで歩くところが好き。  そのお寺は、想像したより大きかった。  お寺というより、テーマパークだった。  アトラクションやパビリオンが、あちこちにあった。  あなたは歩くとき、地図を見ない。  こっちは、どうなってるのかな。  と言いながら、歩いていく。...(2020年07月10日) >もっとみる

#611 撞木が、雲に吸い込まれて

nakatani
あなたの鐘の撞(つ)き方が、好き。 伝説の鐘を、見るだけでも大満足だった。 鐘の傍らに、小さな建物があった。 護符をもらえる所だろうか。 あなたは、まるで自分の家に帰るように、入っていった。 中の係の女性と、あたかも知り合いのごとく、親しげに話している。 あなたも笑い、女性も笑っている。...(2020年07月07日) >もっとみる

#610 1000分の1の破片で

nakatani
あなたの破片が、好き。 あなたとの待ち合わせはジグソーパズル。 1000ピースのジグソーパズル。 たった1つのピースでも、あなただと私には分かる。 だから、あなたとの待ち合わせは楽ちん。 どんなに大勢いる中でも、ひと目で分かる。 私はカフェのテラスで本を読んでいた。 石畳を通る風が気持ちいい。...(2020年07月03日) >もっとみる

#609 深い、薄味

nakatani
あなたの深い薄味が、好き。 和食店に入った。 最初に、お椀(わん)が出た。 蓋を開けると、湯気が出る。 香りが漂う。 アラジンの魔法のランプみたい。 この瞬間に、もうお吸い物を飲み干した気分になる。 ワクワクしながら、お椀の中をのぞき込む。 なんの具材だろう。 あらっ。 具材が入っていない。...(2020年06月29日) >もっとみる

#608 滴が、伸びていく

nakatani
あなたの表面張力が、好き。 あなたとの、食事のあとの帰り道。 このあたりは日本家屋が多い。 ふわりと、風が吹いた。 あなたの前髪が揺れた。 「雨だ」 雨の気配は全くなかったのに。 天気予報では、雨マークはなかったけど。 空も明るかった。 明るい空から、突然、雨が降ってきた。 なぜ、あなたは雨が降るのが分かったのかしら。...(2020年06月26日) >もっとみる

#607 してはいけないから

nakatani
あなたの反則が、好き。 あなたと、美術館に行った。 企画展のコーナーは、混んでいた。 常設コーナーは、空いている。 常設コーナーに、先週までの企画展で大行列だった作品が、並んでいる。 見ている人は、誰もいない。 歩いているのは、ガードマンさんだけ。 企画展でサービスした作品が、ほっと一息ついている。...(2020年06月22日) >もっとみる

#606 声のない声が、聞こえる

nakatani
あなたの小さな声が、好き。 あなたはいつも、ささやく。 あなたの声は通る。 だから、あなたの声は大きいのだと思っていた。 意識して聴いてみると、あなたは小さな声で話している。 ボリュームのオフになるかならないかの、ギリギリのところで話している。 なのに、聞こえてくる。 響いてくる。...(2020年06月19日) >もっとみる

#605 見ない、涼しさ

nakatani
あなたの涼しさが、好き。 あなたと待ち合わせをした。 あなたはカフェで本を読んでいた。 あなたがスマホを見ているところを、あまり見たことがない。 あまりというより、ほとんど見たことがない。 人がすることには気づけるけど、しないことには気づきにくい。 待ち合わせのカフェで、店じゅうの人がスマホを見ていた。...(2020年06月15日) >もっとみる

#604 開かずの窓を、開けて

nakatani
あなたの窓の開け方が好き。 私は、掃除当番が好きだった。 優等生ぶってるわけではないけれど。 特に、隅っこを掃除するのが好きだった。 一番好きだったのは、窓のレールの掃除だった。 グラウンドの砂や埃(ほこり)が、たまっていた。 それを奇麗に掃除するのが、好きだった。...(2020年06月12日) >もっとみる