鳥山明の伝説的ギャグ漫画
Dr.スランプは、今日のマンガ界の頂点に君臨する一人といっても過言ではない鳥山明の作品です。鳥山明がドラゴンボールを描く前に週刊少年ジャンプで1980年から1984年まで連載していた作品で、TVアニメもなり昭和50年代生まれの人間にとっては知らない人はいないほどの認知度を誇っています。また海外でも放送され国内外で非常に評価が高い作品です。
余談ではありますがアニメの知名度が極めて高かったせいか原作の正式名称はDr.スランプであるにも関わらず、アニメのタイトルである『Dr.スランプ アラレちゃん』が原作漫画の正式な作品名と勘違いして認識している人も多いです。正式な作品名はDr.スランプです。
この作品の見どころは、鳥山明ワールドの設定そのものです。まず前向きで非常に明るい世界であることがあげられます。読んでいて、そして絵柄を見ているだけで十分愉快な気持ちにさせてくれます。またメカに関しての描写は作者のこだわりが十分伝わるものがあり、非常に味なる描かれ方をしており魅力的です。
またキャラの設定も秀逸でアラレちゃんは、なぜロボットなのにメガネをかけているのか?なぜロボットなのに学校に通っているのか?なぜアラレちゃんは、キーンと大声をだしながら走り回っているのか?なぜ小学校には頭のでかくて教室に入れない先生がいるのか?アラレちゃんを作った、のりまきせんべいさんはなぜいつもラーメンを食べているのか?何故、せんべいさんはみどり先生の前にでると姿が変わってしまうのか?などなどそれぞれのキャラに個性があふれています。
今でこそ慣れてしまいましたが、疑問を持って読み始めると、島の住民もちょっとおかしな人ばかりです。人間型の住人は多いですが獣人系のキャラがいたり、時代がおおらかだったのかガメラやウルトラマンがいたり、機動戦士ガンダムのMS(ロボット兵器)がでていたりと。そもそも普通の人がほとんど出てこない、そんな漫画です。ちょっと考え出すと不思議感いっぱいの設定なのですが、読みだすと何故かこの世界に引き込まれてしまい、妙にリアルに感じてしまいます。
少なくとも今日この作品を読んだとしても決して古臭さは感じさせず楽しむことができる作品です。またドラゴンボールファンにも是非読んでもらいたいですね。スターシステムの一環でレッドリボン軍と戦うアラレちゃんは本作の主人公なのですから。