『営業力100本ノック』(日本経済新聞出版社)などの著者である北澤孝太郎さんが、新著『まんがでわかる 営業部はバカなのか』(ゴマブックス)を10月31日に発売されます。
本書は、営業職のビジネスマンだけでなく、個人事業主としてビジネスをされているかたがどういう方略で自分の製品・商品を売り込めばよいのかを説いています。
本コラムでは、本書の第3章「『手間』と『時間』は惜しむな!」を全8回にわたってご紹介いたします。
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芸術家タイプのアプローチ術②
■プロセスを固定しない
新しい価値を創ろうとするとき、もっとも大事なことは、商品やサービスができるプロセスを変えることです。多くの場合、企業内のプロセスには決まりごとがあり、大抵の社員はその決まりごとを守ろうとしますが、芸術家タイプは、そのプロセスを固定化して考えません。社内の価値を創るネットワークを柔軟に組み合わせるのです。あるときは情報システム部と製造部、またあるときは企画部と営業部というように、その課題にもっとも適した組み合わせやプロセスを考え出します。また、それが可能なネットワークを社内に持っています。
顧客にとっての利用価値を考えるとき、もっともいいプロセスはなんなのか。それを追求するために妥協はしません。過去の経験則のみで考えていないか、利用シーンにリアリティはあるか等を徹底的に思考したうえで、誰と誰を組み合わせて、どんな順番でものを作るのが一番いいかを考え抜きます。そして、関係者と徹底的にコミュニケーションを取ります。自分の意図を理解してもらい、その意図通り動いてもらわねばならないためです。
その新しい価値を創り出すのにもっとも適していると思われるプロセスが決まったら、まず自分の顧客で実験してみます。もしその試みが行き詰まったり、新しい展開が必要になったりしたときは、社内で共有し、さまざまな人から新たな意見を求めます。
そして、ポジティブな意見だけでなく、的を射たネガティブな意見も受け、新しい商品やサービスにまた反映させていきます。芸術家タイプは、「受け入れる」という点においてもまた人並み外れたキャパシティを持っています。
■著者プロフィール
北澤孝太郎(きたざわ・こうたろう)
東京工業大学大学院 特任教授(MBA科目 営業戦略 組織担当)
レジェンダコーポレーション 取締役
1962年京都市生まれ。
1985年神戸大学経営学部卒業後、株式会社リクルート入社。20年に渡り、通信、採用・教育、大学やスクール広報などの分野で常に営業の最前線で活躍。採用・教育事業の大手営業責任者、大学やスクール広報事業の中部関西地区責任者を担当後、2005年日本テレコム(現ソフトバンク)の執行役員法人営業本部長に転身し、音声事業本部長などを歴任。その後、モバイルコンビニ株式会社社長、丸善株式会社執行役員、フライシュマン・ヒラード・ジャパン バイスプレジデントなどを経て、現職。営業リーダー(組織長や部長、役員)教育の第一人者として、数多くの研修や講演の経験を持つ。
現在、東京工業大学大学院 環境・社会理工学院の特任教授として、大学・大学院で日本初であり、現在も唯一の営業の授業を担当している。
著作に、『営業部はバカなのか』(新潮新書)、『優れた営業リーダーの教科書』(東洋経済新報社)、『人材が育つ営業現場の共通点』(PHP研究所)、『営業力100本ノック』(日本経済新聞出版社)などベストセラー作品が多数ある。
■著書紹介
<内容紹介>
ビジネスパーソン必読!! 新潮新書にてベストセラーとなった話題作「営業部はバカなのか」が、ついに待望のまんが化!
「頭が古い! 」「汗臭い! 」「なんだか偉そう」……どうしてそんなに営業部は嫌われるのか!?
思わず目からウロコの営業戦略を提唱する現代の「営業解体新書」をわかりやすく解説した、楽しく身につく至高のビジネス書が誕生!!
リクルートや日本テレコム(現ソフトバンク)などで、営業のスペシャリストとして長く凄腕をふるった著者だからこそ語れるビジネスの作法・営業論の数々! それをまんがで読みやすく、各章ごとのポイントを図解などを用いてまとめるなど、わかりやすく仕上げました!!
さらに、多くの企業研修で教材として扱われ、東京工業大学大学院のMBAクラスでは教科書として使用されている著者の『優れた営業リーダーの教科書』(東洋経済新報社)からも、そのエッセンスを多数抜粋し、より的確かつ実践的な内容となっています!!