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「本屋大賞は、私の誇り」『2017年本屋大賞』は、恩田陸氏が直木賞とダブル受賞!

「本屋大賞は、私の誇り」『2017年本屋大賞』は、恩田陸氏が直木賞とダブル受賞!

2017年4月12日

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※全国の書店員と記念写真に映る恩田陸氏。中央が恩田氏。

全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める『2017年本屋大賞』(本屋大賞実行委員会主催)発表会が11日、都内で行われた。

今年で14回目を迎えた本屋大賞。大賞の発表の前に翻訳小説部門が発表された。翻訳小説部門は、『ハリネズミの願い』が1位に選ばれた。同書はオランダ人のトーン・テレヘン氏が書いた小説で、翻訳はこれまでもテレヘン氏の作品を翻訳してきた長山さき氏が務めた。
テレヘン氏は所用のため会場にはいなかったが、長山氏が壇上に上がり、「(同書が)日本でベストセラーになったことでオランダの新聞で小さく取り上げられて、注目を浴びた」という裏話が明かされた。また、テレヘン氏の作品を昔からの大ファンだったという詩人の谷川俊太郎氏にも感謝を述べた。

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※壇上で受賞のスピーチを行う長山さき氏

大賞では、ノミネートされた10作品から恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)が大賞に選ばれた。
恩田氏は、『真夜中のピクニック』で第2回の本屋大賞に輝いており、今回が2度目の大賞受賞となり、本屋大賞史上初の快挙となった。受賞のコメントでも、「2度目はないと思っていたんですけど、まさかいただけると思っていなかったです」と感慨深げに語った。
同書は、1月に行われた『第156回芥川賞・直木賞(平成28年度下半期)』で直木三十五賞を受賞しており、本屋大賞史上初の“ダブル受賞”となったが、このことに関して恩田氏は「直木賞を頂いてししまったので、2度目の本屋大賞はないなだろうと思っていたので、本当にびっくりした。」と心のうちを明かした。

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※左から恩田陸氏と昨年の本屋大賞受賞者の森絵都氏

また本屋大賞の“成熟”に触れ「この12年の間に賞も大きくなって、立派になっていたので、まぶしい思いで見ていたんですけど、こうして見渡して、皆さんの熱気を感じて『あぁ、本当にいただいたんだ』と実感しました。今までやってきたことが間違ってなかったんだなって思いました。本屋大賞は、私の誇りです」としみじみ。「この賞とともに少しは成長できたんだなって思いまして、とても光栄に思います」と声を弾ませていた。

尚、大賞発表を受けて発売された『本の雑誌増刊 本屋大賞2017』(本の雑誌社)の中でも恩田氏の受賞の喜びの声が掲載されている。

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※授賞式の様子

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