今回は、ブックカバーを通じて『本のよそおい』を紐解いていこう。
ブックカバーの歴史
まずは、ブックカバーのあれこれを紐解いていこう。
古今東西、日本には「包む」文化が根付いている。例えば、風呂敷で品物や貴重品を「包む」、冠婚葬祭の時にお金を「包む」など馴染みのある慣習の一つだろう。
「包む」文化は本も例外ではない。ブックカバーの歴史は、今から約90年前の大正時代に遡る。当時は、古紙などをブックカバーに使用していたことから、「包み紙」と呼ばれていたそう。
その慣習は今日まで続いており、紙だけでなく、革のものやファブリックのものなど多岐に渡っている。
本を「包む」紙には、重要な意味がある。それは広告としての機能だ。
ブックカバーは、新聞や雑誌などのレガシーメディアと比べて、広告スペースが広く視認性も高い。
書店のブックカバーに、派手なデザインのものからシンプルなものまであるのは、その書店や企業風土を示している。
今日のように、インターネットを通して世界中の情報を網羅できる時代ではない時代には、とりわけ貴重な広告だったのだ。
ブックカバーは必要なのか
ブックカバーの歴史について述べてきた。しかし、ブックカバーをしない人もいるだろう。
ブックカバーは読者にとって必要なのか、いなかについて考えてみたい。
「ブックカバーは、広告としての機能を持っている。」と先述した。
しかし、これは裏を返すと、一目見てどこで本を買ったのかを喧伝していることと同意だろう。
ただ、ブックカバーは本を日焼けや対人認知に敏感な人にとっては、なくてはならない存在だ。
それだけでなく、ブックカバーを通じて、その本を購入した当時の風景を再現する装置を担っている。
ブックカバーは、本のおまけのようなもの。しかし、たかがブックカバー、されどブックカバー。
ブックカバーを起点に書店に行き、本を選び、本を買うことを考えてみると新たな視点を得ることができるのではないだろうか。
今回は、ブックカバーをその出立とし、書店そして本のことを考えていこう。
早速だが次に、独特なブックカバーを作るハンドメイドブランドPOTEN PRODUCTSを紹介する。
その後、あの有名作品の着せ替えブックカバーをご紹介する。
そして最後に、ブックカバーの趣向が凝っている書店をピックアップする。
【ブックカバーを侮るなかれ!ユーモアに富んだブックカバー ブランド・作品編】
【POTEN PRODUCTS】
POTEN PRODUCTSは、布と紙で製品をつくるハンドメイドブランド。
代表作品は、服のデザインをしたブックカバーだ。
文字どおり、本を着せ替えることのできるブックカバーである。
(POTEN PRODUCTSさんのHPより)
・FASHION BOOK COVER(ファッションブックカバー)
まるで、洋服のようなブックカバー。
シャツ、ベストやクレイジーパターンなど多種多様だ。
■ブランド概要
POTEN PRODUCTS(ポテンプロダクツ)
布と紙で出来たプロダクトを開発しているハンドメイドブランドです。
時間感度=有意義な時間を感じる度合い
どうすればあなたの時間感度を豊かに出来るのか。開発〜製作までそれを一番に考えながら運営しています。
HP : https://poten.theshop.jp/
Twitter : @poten110
【表紙の着せ替え】
昨今、コミックは通常版とは別の装丁表紙が販売されている。
それをコミックに纏わせると他の人とは違う、自分だけの特別版コミックが完成する。TwitterやInstagramなどのSNSでシェアしてみるのも良いだろう。
例えば、『名探偵コナン』(著=青山剛昌)。
通常版は、主人公江戸川コナンが描かれている。一方、特別版では主人公の友人・ライバルである、服部平次が描かれている『名探偵ヘイジ』という表紙が発売されている。
その他にも、イベントや映画化を記念して発売されることもある。
是非、その作品のファンのかたはチェックしてみてはいかがだろうか。