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【特集】『時をかける少女』ドラマ化で3つの才能を発揮するNEWSの加藤シゲアキに迫る!

【特集】『時をかける少女』ドラマ化で3つの才能を発揮するNEWSの加藤シゲアキに迫る!

2016年6月28日

アニメーションでも実写でも、何度も映像化されている筒井康隆の人気小説『時をかける少女』が出版されて50年が経ち、今年の夏再びドラマ化されます。今回ドラマに3つの形で関わっているのが、アイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキです。
役者、歌手、小説家の3つの立場から『時をかける少女』に携わる彼の執筆活動に注目したいと思います。

「時をかける」少女と少年
     そして「淡い恋」と
        「暑すぎる夏」・・・

時をかける少女 ドラマ
画像:「時をかける少女」公式サイトより

日本テレビ系列で7月9日から土曜9時枠でスタートする『時をかける少女』。
今夏ドラマは、『時をかける少女』だけでなく、今までは描かれることのなかった未来からやってきた少年ケン・ソゴルの目線からも物語を描いていることが特徴です。それにより、今までの『時をかける少女』とは違う、新しい魅力をもって生まれ変わるでしょう。

出演
黒島結菜/菊池風磨(Sexy Zone)/竹内涼真/吉本実憂/加藤シゲアキ(NEWS)
猫背椿/野波麻帆/安蘭けい/田口浩正/小松和重/ゆいP(おかずクラブ)/高橋克実/古畑星夏/三浦透子/八木莉可子/五十嵐陽向/石井萌々果/高畑淳子

「時をかける少女」公式サイト:http://www.ntv.co.jp/tokikake/

50年愛されている原作小説『時をかける少女』

時をかける少女〈あらすじ〉
思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。 わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。 放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れた音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り―。このにおいをわたしは知っている―そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床に倒れてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。
(角川書店公式サイトより)

 

役者として教師を演じ、アイドルとしてエンディングテーマを歌い、小説家としてオマージュ小説を執筆する加藤シゲアキとは?

ジャニーズの人気アイドルグループNEWSの加藤シゲアキは、2012年に『ピンクとグレー』を発売し、小説家デビューを果たしたました。アイドルとして活動をしながら、「年に1冊小説を出す」という目標を掲げ、現在までに4冊の作品を刊行しました。
ドラマ『時をかける少女』では

1.生徒から慕われる担任の教師として出演。
2.エンディングテーマを自身が所属するNEWSの『恋を知らない君へ』に決定。
3.『時をかける少女』をオマージュした短編小説『おれさまの言うとおり』を野性時代の8月号に掲載。

と、幅広い才能を発揮しています。
そんな加藤シゲアキの、映像化したものを含めた4作品を紹介します。

『ピンクとグレー』

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ジャニーズ初の小説家・加藤シゲアキ衝撃のデビュー作! 累計40万部突破!

芸能界を舞台に描いた青年たちの狂おしいほどの愛と孤独が描かれています。大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会います。性格は全く違う2人ですが、不思議と惹かれあい、やがて親友に。そして高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタートします。ところが、真吾だけが芸能界を駆け上がっていくことによって、2人の仲は決裂してしまい・・・。
ステージという世界の魔法・幻想に魅入られた、幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説です。監督・行定勲、主演・中島裕翔により映画化されていますが、原作とはまた違った衝撃を受ける作品です。映画を見たあとにじっくりと原作小説を読んでみるのはいかがでしょうか。

『閃光スクランブル』

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渋谷及び芸能界を舞台にした加藤シゲアキの2作目。

人気アイドルグループのメンバー・亜希子は、世代交代の現実に思い悩み大物俳優と不倫を続けています。一方、最愛の妻を亡くし、ゴシップカメラマンとして生計を立てている巧は、そのスクープを狙っていました。本来は交わることのない2人ですが、ある事件を機に出会ったことで、思いがけない2人の逃避行が始まります。瞬く光の渦の中で本当の自分を見つけられるのか。渋谷スクランブル交差点で激しく交錯する女性アイドルとパパラッチの人生を中心に愛の再生を描いた、疾走感のあふれるエンタメ小説。
芸能界の光の部分と影の部分が緻密に描かれており、加藤シゲアキ自身が芸能界に身を置いているからこそ書くことのできた1冊となっています。

『Burn-バーン-』

t_x200 (1)家族と愛を問う、感動の3作目。

心を失くした天才子役、魔法使いのようなホームレス、愛に満ちた気さくなドラッグクイーンの3人は、渋谷・宮下公園で巡り逢います。機械のように冷めきった天才子役・レイジでしたが、人生を謳歌する2人に触れることで人間らしい心を取り戻します。やがて3人は家族のように互いを慈しみ、かけがえのない大切な存在になっていきます。しかし、そんな幸せな時間は長くは続かず、レイジはただひとつの居場所であった宮下公園から引き離されてしまって……。
家族、そして愛の意味を問う、熱情溢れる青春小説です。タイトルの通り生と死について考えされられるような少し影のあるところ、そして随所におしゃれな学識が散りばめられているようなところは、著者の独自性が顕著に現れた作品になっています。

『傘を持たない蟻たちは』

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無限の悲しみはどこまでも僕を埋め尽くす――。生きづらさを抱えた人々の痛みと希望を描く、加藤シゲアキ初の短編小説集です。

『染色』『Undress』『恋愛小説(仮)』『イガヌの雨』『インターセプト』『にべもなく、よるべもなく、』の6編を収録。本作では思春期の葛藤や純粋な恋愛について描かれる一方、人の心に潜む闇の部分をクローズアップしています。その中で同性愛に苦悩する男の子も描かれており「性描写が過激」と度々話題になっていました。
そして今年、フジテレビで4話の連続ドラマとして映像化されました。加藤自身も主人公の幼なじみとして重要な役を演じており、原作者兼役者という珍しいキャスティングになっていました。同性愛や過激な性描写を書くことについて不安があったそうです。しかし、ジャニーズのアイドルだからといって逃げることなく、今を生きる人々の「生」と「性」を浮き彫りにした作品。ぜひ多くの人に読んでもらいたい1冊です。

 

ちなみに、渋谷と芸能界を舞台とした『ピンクとグレー』『閃光スクランブル』『Burn. -バーン-』について、加藤自身は「渋谷サーガ」3部作としており、「小説家」加藤シゲアキの代名詞ともなっております。
加藤シゲアキの作品は、林真理子、よしもとばなな、有川浩などの著名な小説家の方々から高い評価を得ています。
“アイドルが書いた本”という先入観を持たずに、作家の1人として、加藤シゲアキが書いた本として読んでみてはいかがでしょうか。