「インフルエンサー」を題材にした本コラムで、「インフルエンサーはモテるのか?」という話題にはいつか触れることになるだろうということは感じていました。
「インフルエンサーになりたい」と猫も杓子も考えている現代ですが、インフルエンサーになりたい理由のトップ3には「モテたい」が入っていることでしょう。
モテる=異性からの評価が高くなることは、人間の、いや生物の根源的な欲求です。そのため、「モテたい」という欲求はとても自然なことです。
それを踏まえたうえで、
・インフルエンサーはモテるのか?
・男と女で違うのか?
について考えていきます。
インフルエンサーは「会社の上司」と「タレント」の中間くらいはモテる。
この問題に対する結論は、
「インフルエンサーは、インフルエンサーじゃないよりは、モテる」
です。
他の条件が全て一緒だった場合には、影響力がないよりはあったほうがモテます。
その理由は2つあって、「上司的なモテ」と「タレント的なモテ」の2つに分けることができ、タイプによって違います。
「上司的なモテ」とは、自分より、
「早くこの仕事を始めている」
「結果が出ている」
「多くのことを知っている」
という感情に起因するモテです。
この感情を持つのは、「自分もインフルエンサーになりたい」と思っているからであり、ツイッターならツイッター、インスタグラムならインスタグラムのフォロワー数が相対的に少ない相手からモテます。
会社の上司や居酒屋の店長、バイトリーダーなど社会全体から見ればどうってことない地位でも、その小さな世界では部下よりリードしているのは明らかであり、それらの職種はモテます。
インフルエンサーも、同じSNS上で自分より後からフォロワー増やしを頑張っている人に限定すれば、モテに繋がりやすいでしょう。
もうひとつの「タレント的なモテ」は、「一方通行の認知」によるものです。
「私はあの人を知っている。あの人は私を知らない」という状態であれば、必然的に力関係に強弱が生まれます。
一方通行の認知が双方向になったとき、ファンはそれだけで舞い上がります。
「あの人に認知してもらえた!」という感情を持ってもらうことができれば、それはほとんど「モテている」と言っていい状態になります。
結果的に、「インフルエンサーは、そうでない場合よりも、モテる」と言うことができます。
男性と女性のインフルエンサーのモテの違い
ここまで読んできて、勘の良いかたであれば、
「男性は影響力があったほうがモテるが、女性にはあてはまらないんじゃないのか?」
と思ったかもしれません。
その通りでして、モテについて考えるときは、必ず性差を考慮する必要があります。
例として「上司」と「タレント」を挙げたのも理由があります。「男性の上司」は女性の部下からモテやすいですが、「女性の上司」は憧れの対象にこそなれ「モテている」という印象からは程遠い印象です。
インフルエンサーにおいてもそれは同様で、グラドルやモデルとして有名になったわけではなく、純粋な発信力(起業家、経営者、著者、ブロガー等)でインフルエンサーになった場合、ほとんどの男性の「恋愛対象」からは外れます。
つまり、「女性のインフルエンサーは、モテにくい」と言えます。
これは日本人特有のメンタリティが関係していますが、自分よりも強い女性にアタックできる甲斐性のある男性は、ごく少数派ですから、影響力を持てば持つほどモテる可能性は減ります。
女性がインフルエンサーになることで、さらにレベルの高い人脈や繋がりが生まれる可能性が高いですが、それをモテと呼べるかは微妙です。レベルの高い男性の周りにはすでにレベルの高い女性(必ずしもインフルエンサーではなく、モデルやグラドルなど)が多いので、女性が「モテる」ために、インフルエンサーになるメリットは非常に少ないと言えます。
女性がSNS上でモテるためには、フォロワー数の少ないサブアカウントを作って、自分が狙っている男性にアプローチすることが、皮肉にも最も効果的と言えるかもしれません。
しょせん、影響力はひとつの要素
ここまで「モテ」と「影響力」の関係について書きました。
結論は「男性は、影響力とモテはほぼ比例する」。「女性は比例しない。影響力はモテに不利になる」となりました。
しかし、影響力はモテに対してのひとつの要素にすぎません。
モテとは「タイミング」「相性」「市場」「魅力」など様々な要素で生まれる現象です。
「影響力」はそのうちのたったひとつの要素「魅力」のさらに一要素に過ぎず、モテ全体からすると非常に小さなです。
特に「市場」は重要です。
自分の影響力の及ぶ範囲(自分のいる界隈)のオフ会に参加した場合、影響力とモテは大いに相関関係となりますが、自分と全く違う界隈の集まり(知らない地域の夏祭りなど)に参加した場合、SNSのフォロワーが何万人いようが、モテに1ミリも影響を与えません。
結局は、インフルエンサーであろうとなかろうと、自分の身だしなみなり、会話術なり、相手にとって魅力的に映らない限り、モテることはありません。
影響力はそこにちょっと加えるスパイスのようなもので、うまく利用すれば効果はありますが、ベースの魅力磨きをサボる言い訳にはならないようです。
「モテるため」にインフルエンサーを目指すのは間違いではありません。ただ、それだけでモテモテになるわけではないことを肝に銘じて、今日もせっせとインフルエンサーを目指しましょう。
藤沢篤
Twitter→@fujisawatsushi
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