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ふじさわコラム第十四回 1年で12冊の電子書籍を書くということ。

プロブロガーふじさわ別冊・書き下ろしコラム みんなインフルエンサーになりたかった。

ふじさわコラム第十四回 1年で12冊の電子書籍を書くということ。

2018年8月30日

電子書籍ランキング.comをご覧のみなさん、こんにちは。
プロブロガーのふじさわです。
 
フリーで仕事をしていると、自分の実績を他人に話す機会が多いのですが、僕が話す時に必ず伝えるのは「電子書籍マラソン」の話です。
 
「電子書籍マラソン」とは、2016年1月から12月まで、毎月1冊電子書籍を発売するという、僕が勝手に始めた企画の名前です。参加者は僕一人。最初は「電子書籍マラソン」などとは呼んでいなかったのですが、2、3冊目くらいから「この企画に、なにか名前があった方が良さそうだぞ」と思い、自分でそのように呼び始めると、周りにも浸透しました。
 
本サイト「電子書籍ランキング.com」でコラムを書かせていただけているのも、この電子書籍マラソンがあったからでした。
では、このマラソンの実際の成果はどのようなものだったのかを見ていこうと思います。
 
ここで書いているのは、アマゾンから誰でもキンドル電子書籍を発売できる「KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)」というシステムを利用した話です。
 
電子書籍の内容は「自己啓発」、「旅の裏話」、「ブログのまとめ本」、「小説」など様々でした。興味のある方は、ぜひアマゾンの藤沢篤のページを見ていただけると嬉しいです。
 

成功とも言えるし、失敗とも言える。


電子書籍マラソンに関して、僕はいくつものことを期待していました。なにしろ、月に1冊電子書籍を発売し、それを12ヶ月続けることは、かなりの労力を要します。そこに、いくつかの「期待される成果」があったからこその行動でした。
 
以下に、簡単に「期待していた成果」と「その結果」を羅列します。
ザッと見ると、成功した面も、そうでなかった面もあったことが分かります。
 
▶︎マンネリな日常からの脱却
電子書籍マラソンを始めるまでの僕は、ブロガーとして安定した収益がありましたが、日常に情熱を傾けられる対象がないことに悩みを感じていました。
→月に1冊電子書籍を発売することは、企画、執筆、表紙デザイン依頼、プロモーション、宣伝を毎月繰り返す必要があり、非常にエキサイティングな時期を過ごすことができました。
 
▶︎本を出版する。
小さい頃から「本を出版する」という夢を持っており、いくつも出版社に連絡しましたが、軒並み断られました。それならば、電子書籍を出し続ければ、いつかは芽が出るかもしれないと思っていました。
→6冊目の『勝手にコミットしろ。』がヒットし、ゴマブックスさんとご縁をいただき、紙書籍として出版され、夢が叶いました。
 
▶︎権威性がつく。他のブロガーと差別化できる。
ブロガーは世間から軽く扱われがちです。そして他のブロガーとの差別化は難しいです。
→紙書籍を出版したことで、取材やセミナー依頼などが来やすくなりました。また「電子書籍に特化しているブロガー」としてのポジションを確立することもできました。
 
▶︎フォロワーを増やしたい
主にツイッターにおいて、電子書籍を発売することでフォロワーを増やしたいと思っていました。
→電子書籍の発売とフォロワーの伸びにほとんど相関はなく、フォロワーは全くと言っていいほど増えませんでした。ツイッターのフォロワーを増やしたいのであれば、そのための直接的なアクションをとる方がよかったです。
 
▶︎大きな収入を得たい
2015年末時点で「これからは電子書籍の時代だ」という声を聞いていたので、「今のうちにたくさんの電子書籍を発売していれば、資産となって、毎月何十万円という不労所得が得られる」と考えていました。
→『勝手にコミットしろ。』がヒットしたときには一時的に何十万と収益は上がりましたが、それ以外では数万円を超えることはなく、収入的には大失敗と言えます。
 
▶︎大事なメッセージを届けたい
ブログやSNSでは書くことのできる文章が短すぎて、僕の頭の中の考えをちゃんと読者まで届けられている気がしませんでした。
→電子書籍であれば、数万字の文章を読んでもらえます。そして何年か経った後に「電子書籍を読みました!」という方と出会うことも多く、「成功した」と言えます。絶対数はもっと多い予定でしたが、贅沢は言いません。
 
総括すると、期待していた成果の半分くらいは達成され、半分くらいは空振りに終わったのが、僕の「電子書籍マラソン」でした。
 

コンテンツ発信には「メディア選び」が死ぬほど大切


なぜわざわざこのようなことを書いたかというと、「メディア選び」の大切さを伝えたかったからです。
 
インフルエンサーになるためには、なんらかのコンテンツを発信する必要があります。
あなたが発信できるコンテンツは、ある程度は限定されていて、限界もあります。
 
だからこそ、コンテンツを発信するための「メディアの選び方」がものすごく大切になってきます。
メディア選びは、文章や写真、動画、年齢層の違いなど様々な要因に注意を払い、さらに「これから伸びるメディアかどうか」を見極める必要があります。
 
2015年末に、僕は「電子書籍市場が伸びる!」と予想し、そこに賭けました。
その結果、電子書籍市場は爆発的に伸びたとは言えませんが、大ハズレを引いたとも言えないくらいの実績です。まだこれから伸びる可能性もありますしね。
 
インフルエンサーを目指すということは、同時に「メディアを選ぶ目」を鍛えるということでもあるのです。
 

なんでもいいから「賭け」をする必要性。


そして、たったいま書いた主張と矛盾する点もありますが、「メディアがなんであろうと、力づくでも結果を出す気概」も必要です。
 
正直、これから「電子書籍市場で成果を上げたい」という方に出会っても、僕は「辞めておけ」と言うかもしれません。そのくらい、電子書籍市場で成り上がるのは厳しいからです。
 
だけど、僕は「1年間、12冊は絶対に発売する」という気概を持って電子書籍を発売し続けたことにより、ある程度の成果を出すことができました。メディア選びが大切とはいえ、「次はこっち、ダメならあっち」と移り気では、期待していた成果を得ることはできません。
 

「絶対にここで成果を上げてやる」

と腰を据えてコンテンツを発信し続けることでしか、到達できない場所があるということを、僕は電子書籍マラソンから学びました。
 
電子書籍は、書くよりも読む方がずっとラクですし(当たり前ですね)、インフルエンサーになるにはメディア選びと、成功するための気概が必要です、というお話でした。
 
藤沢篤
 
Twitter→@fujisawatsushi
ブログ→http://iphonedocomoss.com/
 



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