この「みんなインフルエンサーになりたかった」の連載が17回目になりました。
僕がこの電子書籍ランキング.comで連載を始めさせていただけた理由は、電子書籍を12冊連続で発売する「電子書籍マラソン」を2016年に行ったご縁からです。
しかしいまは電子書籍の新刊を発売しておりません。
一応、本業は「プロブロガー」ですが、最近はブログの更新も減り、更新してもブログ外の活動の宣伝だったりします。
では、いまは何をしているかというと「Twitter」、「note」それに「YouTube」です。
そうです。YouTubeです。
なぜYouTubeでの発信を始めたかというと、YouTubeを観る時間が増えたからです。
「受信しているメディアの時間と、発信するメディアの時間は比例する」理論がありますが、僕もその通りだと思います。YouTubeをたくさん観ていたら、自分も発信したくなって、動画を数本アップしたところです。
しかしYouTubeを観ていて気づいたのですが、YouTuberの企画って、そのほとんどが「自作自演」なんです。
SNSはその9割以上が魅力的な「自作自演」で成り立っている
もちろん全てのYouTube動画がそうではないですが、
「自分で企画を作る」
「実行する」
「分析する」までがセットで、動画の配信を繰り返しています。
TVのバラエティ番組の場合は、出演者と演出者は分かれており、企画に対してナチュラルなリアクションをすることができます(事前の打ち合わせはありますが)。
しかしYouTubeとなると、基本的には出演者と演出者とが同じです。これはSNS時代、インターネット時代にとても特徴的な現象なのです。
これはYouTubeに限らずあらゆる発信ツールでも同じです。そもそも、「発信しないと死んでしまう」人などこの世に1人もいないわけですから、極論を言うと発信は「全てムダ」です。
全てムダな発信に「意味」や「ストーリー」を持たせるのが「自作自演」です。
誰だって、自分のSNSアカウントというステージの上で、自分で作った脚本を自分で演じているのです!
いかに魅力的で、求心的で、他者を魅了できるストーリーを立ち上げて、いかに情熱的に演じ、視聴者にひと時でも「自作自演」であることを忘れさせることのできた人物こそが「インフルエンサー」と呼ばれるのです。
いかに魅力的な「自作自演」を生み出すことができるか?
さて、具体的にどんな「自作自演」に人は心を惹きつけられるのでしょうか?
代表的なものは「毎日更新!」でしょうか。自分で勝手に制約を設けて、その制約を守るために孤軍奮闘する姿は、多くの人の関心を引きます。
他には「◯◯までに△△しなければ✖️✖️!」というものもあります。
✖️✖️には、罰ゲーム的なイベントが含まれます。
自分の大きな目標に対して期限を決めることでドラマチック感を演出します。
さらには、人生をかけた
「私が独立するまでのストーリー」
「会社を辞めるまでのストーリー」
「恋人を作るまでのストーリー」
「借金を返済するまでのストーリー」
「世界一周ストーリー」
などをSNSにリアルタイムで発信することによって、本人の魅力は非常に高まります。
人々は、まるで映画や連続ドラマを眺めるような気分で、しかしそれよりずっとダイナミックに、ストーリーに食い入ります。
映画やドラマと違うのは、コメントやアドバイス、資金援助という形で、そのストーリーに関わることができるということです。
上に書いたようなストーリーは、一朝一夕に成し遂げられるようなものではないからこそ、見るものを魅了します。
スタートは自作自演とはいえ、半分はリアルなストーリーなので、より一層魅力が増します。
ただ、これらの演出の弱点は「その目標を達成してしまうと、一気に本人の魅力が落ちる」ことにあります。
いかにありがちでない自作自演ストーリーを生み出し続けるか?
先に上げたストーリーにはもうひとつ弱点があります。それは「ありがちである」という点です。
普通の人が現代社会で遭遇するストーリーなんて、ある程度はパターン化されているので、どんなにリアリティがあっても、革新的なコンテンツにはなり得ません。
その発信の9割が自作自演で構成されるインフルエンサーにとって、
・ありがちなストーリーを作ってしまうこと
と、
・ひとつの自作自演ストーリーを終えたあと、いかにまた別のストーリーを生み出すか
の2点は、大きな課題です。
ここで誰しもが頭を悩ませます。
面白く、革新的なストーリーを生み出すひとつのコツは
「新しいモノ」を生み出そうとせず
「新しく見えるモノ」を生み出すことです。
本質的に新しいモノではなく、新しく「見える」だけでよい、というのはひとつの真実です。
しかし、コンテンツが氾濫する現代において、生産者(そしてライバルでもある)のストーリーを評価する目はドンドン厳しくなっています。
自分の持つそのアカウントを、唯一無二のステージだと信じ込み、最後まで「フォロワー」というオーディエンスを楽しませ続けられた人物こそ「インフルエンサー」と呼ばれるにふさわしいのです。
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