「なんでそんなに必死にフォロワー増やそうとしているの?」
って、ふいに友人に聞かれました。
そのときは一瞬、頭が真っ白になったものの、すぐにちゃんと理由を述べている僕がいました。
そんな質問をしてきた友人は、いわゆる「クリエイター」で、革やデニムを材料に自分の作品を創って販売し、十分に成功していると言える友人です。
クリエイターなんて、どう考えてもフォロワー数がたくさんいたほうがいいのに、彼の口からそんな質問が出ることに驚きました。
彼が「必死に」という言葉を使うのも納得がいくくらい、最近の僕は「必死に」フォロワーを増やそうとしています。
このコラムは、各種SNSで告知をしてはいますが、それほど爆発的に盛り上がることもなく、ひっそりと、インターネットの隅っこで運営しているので本音を書きますが、いま僕は「めちゃくちゃ必死に」Twitterのフォロワーを増やそうとしています。
「フォローしてください!」とか「フォロワー増やそうとしてます!」などと、必死になればなるほど増えないのがフォロワーですから、Twitterでは大々的にそう言っていません。これまで、のんびりのほほんと運営してきたTwitterをマジになってビジネス感覚で運営しています。
その様子を友人に話したときに聞かれたのが、冒頭の質問です。
なぜそんなに必死にフォロワーを増やそうとするのか?
に対して、以下の5つの回答をしました。
フォロワー数を増やすメリット
1、影響力をつけることが、自分の人生の成功に直結するから。
今後、自分がどんな活動をするにしても、販売する、宣伝する、協力者を集めるなど、あらゆる活動において、フォロワー数が多い方が有利に進みます。
2、フォロワー数が多い人と一気に仲良くなれる。
インフルエンサー界隈では「フォロワー数=戦闘力」のように捉えられる場面が多いです。同じようなフォロワー数レベルの人同士が仲良くなりやすいのです。フォロワー数を増やすことで、より面白く、より個性的な人と仲良くなれる可能性が増えます。
3、初見の人からの印象をわかりやすく良くする。
くだらないこととわかってはいても、全く知らない初めての人を見つけたときに「フォロワー数」によって、その人の価値を判断する場面が多いのは事実です。全くの初見の人から「すごい」と思われるためにフォロワー数は意味を持ちます。
4、仕事に繋がりやすいから。
インフルエンサーとして仕事を依頼される場合、まずは「フォロワー数」で判断されるので、フォロワー数は多い方が得です。
5、他人を応援できるようになる。
SNSでのフォロワーが多いと、応援したい人のことを投稿して「応援」することができるようになります。もちろん、フォロワー数が多いほど「応援」の力は高まります。
自分を偽ってまでもそれらがほしいのか?
以上のようなことを友人に説明しましたが、友人は、完全には納得しませんでした。
「わざわざ、偽の自分を飾り立ててまでそれらを手に入れる必要があるのか?」
「本当の自分のまま、素の自分で生きて、好かれる人には好かれて、嫌われる人には嫌われながら生きていけばいい」
友人の話しを要約するとこのような意味のことを言われました。
いまも昔も「SNSだけキラキラして見せている人」は存在します。
「港区キラキラOL」や「ヒルズ族」と呼ばれるような種族の人たちは、SNSで過剰に自分を良く見せようとして、現実との乖離が起きていることがあります。
キラキラOLやヒルズ族は極端なパターンとしても、本気でSNSのフォロワーを増やそうとすると、いくらかは「編集した自分」を見せる必要があります。自分の感じたことや本音、思ったことを全て垂れ流すアカウントは「お腹減った」や「あいつむかつく」、「ねむい」のような、「意味のないつぶやきをしている」アカウントになり、誰の目からも魅力的には映りません。
そして、「編集した自分」を見せるのは、なにもSNSだけではありません。
リアルな世界でも、誰しもが服装や髪型、話し方、話題の選び方によって「編集した自分」として振舞っています。
人間がコミュニティを形成するにあたっては、いくらかは「編集した自分」を他人に見せるものです。
SNSではたしかにそれが過剰にできてしまいますが、「編集した自分を見せること」そのものは人間がもともと持っている性質です。あとは、編集した張本人がどのくらいそれを受け入れられるかの度合いの違いだけだと、僕は思っています。
数字だけを追いかけているように見えるのがダサい?
「数字だけを追いかけているのがなんだかかっこ悪い」
とも、友人の目に映ったようです。いや、ひょっとすると彼はそう思っておらず、僕自身が、本心では自分のことをそう思っているだけかもしれません。
SNSのフォロワー数を増やそうとすると、自分よりもフォロワー数の多い人に対して嫉妬心や妬む気持ちが湧いてきます。逆に自分よりフォロワー数の少ない人を見下し、軽く扱ってしまう気持ちが湧いてきます。
上に書いた「フォロワー数=戦闘力」が、飛躍して「フォロワー数=その人の価値」に見えてしまうのです。
もちろん、魅力的な人にフォロワーは増えやすく、そうでない人は増えにくいことは事実です。ですが、完全に「フォロワー数=その人の価値」と考えてしまうのは、健康的な精神状態とは言えません。
フォロワー数を増やすのは「ただのゲーム」
あまり肩に力を入れすぎず、SNSのフォロワーを増やすのは「ゲーム」と捉えるくらいがちょうどよさそうです。
自分よりもフォロワーの多い人は、例えるなら「自分より多くポケモンを集めている人」あるいは「ドラゴンクエストで、自分よりレベルが高い人」のように、あるゲーム内でのスコアの違いがあるというくらいに気楽にプレイしようと思いました。
そうすることで、あるSNSのフォロワーが少ない人に対しても「あぁ、このゲームをあんまりプレイしていないのね」程度に思い、人間的な価値と紐づけることはなくなります。
とはいえ、現代ではSNS運用は立派な「ビジネス」の一旦を担っています。企業や個人の売り上げやPR活動において、SNSのフォロワー数はその大事な役割を担っています。
このように「ゲーム性もありつつ」も、「ビジネス的にも大切」という微妙なポジションなのがSNSなので、多くの人が接し方に困惑するのでしょう。
気楽にゲームだと思ってプレイできたらいいけど、実際にはビジネス的側面も多いSNS。
「好きを仕事に」
「遊ぶように働く」
「やりたいことをやって生きる」
というワードが飛び交う現代において、多くの人がSNSに翻弄され、インフルエンサーに憧れ、フォロワー数とにらめっこをしているのも頷けます。
さて、あなたにとってSNSはゲームでしょうか?ビジネスでしょうか?それとも他のなにか?
藤沢篤
Twitter→@fujisawatsushi
ブログ→http://iphonedocomoss.com/