TVアニメ化した桜庭一樹のミステリー小説
「GOSICK -ゴシック-」は桜庭一樹さんの書いたミステリー小説で、富士見ミステリー文庫で発売されたのち、角川文庫、角川ビーンズ文庫でも発刊されたことから、その人気のほどが伺えるでしょう。
舞台は第一次世界大戦後のヨーロッパで、ソヴュール王国という架空の国の寄宿学校で、主人公の久城一弥(日本からの留学生)が天才的な頭脳を持つ同級生の少女・ヴィクトリカと会う所から物語は始まります。
この小説はミステリーならではの暗い雰囲気を、生真面目な一弥と負けず嫌いで天邪鬼なヴィクトリカの珍妙なやり取りで軽くしているため、テンポ良く読み進めることができます。時代背景が第一次大戦後というだけで、尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが、時代物、というよりは架空の王国を舞台にしているだけあって、ファンタジー小説を読む感覚でも良いです。第一巻こそヨーロッパの実在する国々が出てきますが、あくまで名前程度ですし、第二巻以降は科学技術はその時代ぐらい、という認識でいれば大丈夫です。
今までミステリー小説を読んだことのない人にはその入門編として、ミステリー小説が好きな人にはファンタジーとの融合という1ジャンルで、どちらにもおすすめできる作品です。