恋に悩める女性からのメールを、ブログ「あの女」でぶった斬って解決してしまうゴマブッ子さんにメールインタビュー! 「モテないゲイ日本代表」を自称する彼女の言葉によって、気づかされることがたくさんあります。そんな大人気ゲイブロガー・ゴマブッ子さんに、ブログで恋愛相談を受けるようになった経緯や、ご自身の悩み相談について、さらには衝撃的な過去の恋について語っていただきました! 最後までお見逃しなく!
※画像はあの女ブログより引用
おもしろおかしく、ときに厳しく、そして優しく
――ゴマブッ子さんのブログのプロフィールに「ゲイバーで繰り広げられる女たちの泥仕合を見るのが3度の飯より大好物」とあるのを拝見しました。ゲイバーで働いてらっしゃったのでしょうか?
ごめんなさい。あのプロフィールはブログを開始した10年前に書いていたままにしていたので、言ってみればいまだに「エロかっこいい」という言葉を使っているようなものです。
よく勘違いされるのですが、私はゲイバーで働いたこともなければ新宿2丁目でお店をひらいているワケでもなく、性転換もしていません。
ただ私も若かったので、あの頃はゲイバーで客として飲んでいて、そこで他のお客さんたちがワイワイしているのを「ほほえましいな~」と思って見ていたという感じです。
――そうだったんですね! ブログで相談を受けるようになったのは、どのようなことがきっかけだったのでしょうか?
最初は自身の体験談やあらゆる場所で見かけた強烈な「あの女」についてブログで書いていました。すると「アラサーで独身の女性たちを救ってほしい」と出版社の方から声をかけてくださって『女のしくじり』を出版することになりました。そのときに、ブログでなんとなく相談を募集したら毎日相談メールが届くようになった……というのがきっかけです。
――恋愛相談メールは1日にどのくらい届くのでしょうか? また、どのような相談が多いのでしょうか?
日によって違うので1日どのくらいとは言えません。しかし不思議なもので、たとえばブログで「不倫」についてぶった斬ると次の日は「不倫に関する相談メール」が多いですし「セックスレス」についてぶった斬るとやっぱり「セックスレスに関する相談メール」が次の日に増えます。読者の方は「ワタシもワタシも!ワタシもぶった斬って!」と感じているのでしょうか?
――やはり相談者の多くは女性だとお見受けしますが、男性やゲイの方から相談されることはあるのでしょうか?
男性、そして、ゲイからの相談はほぼないです。年に1回あればいいほうですね。女性はズバッと言ってほしいという願望があるので、それが多少図星や正論でも「言われてスッキリ!」みたいなところがありますよね。しかし、男性はプライドの塊みたいなところがあるので、私には相談しないんだと思います。
それに、男性が読む恋愛本って基本「(女性が喜ぶ)いい男になりましょう」ではなく、「どうやってあの子を落とせるか、遊べるか」ですからね。そういうのを知りたい方はゲイではなく「元ホストが教える~」みたいなところにたどりつくんだと思いますよ。
――たしかに男女の求めるものは違いますよね。相談を受けるときに心がけていることなどがありましたら教えて下さい。
感情移入しないことですね。入り込みすぎると自分が滅入ってしまうので。おもしろおかしく、ときに厳しく、そして優しく「ゴマブッ子」というキャラクターを演じるような気持ちで回答しています。
――多くの人から相談され続けているゴマブッ子さんですが、ご自身の恋愛事情や悩みを相談することはありますか? どのような人にどのような相談をするのでしょうか?
私はあまり相談しませんが「元・負け犬の教祖」T子という女性に、進行形の恋などについてメールをしておもしろおかしいネタにしてしまいます。ネタになるかどうかで相談してしまってますね。職業病でしょうか(笑)。T子とはかれこれ10年くらいの付き合いで、いまは結婚しているので「“元”負け犬の教祖」なんです。
――ブログや著書『女のしくじり』でお馴染みの方ですよね! 元彼からメールが来たときに真っ先にT子さんに連絡をしたというエピソードをブログで拝見しましました。T子さんはゴマブッ子さんにとってどのような存在なのでしょうか?
女性が女友達に相談するときは的確なアドバイスが欲しいというより、もう頭の中では答えが決まっていて、背中を押されたいときとか愚痴という名のノロケを言いたいときとか
ただただ話を聞いて共感してもらいたいときが多いと思います。しかし、私がT子に連絡するのは、自分の感情が整理されないまま前のめって相手に思いのたけを伝えてしまいそうなときですね。一度、T子に吐き出してスッキリすることで、感情を抑え恋の暴走を未然に防ぐことができます。そして私の話にT子が「ダメダメアウト!それは言うべきじゃないわ!」と言ってくれることで、さらに自分の感情を整理していくことができます。言ってみれば「相手にメールをする前の下書き」を添削してくれるような存在です。独身の頃にT子もまず私に吐き出して感情を整理していたので、お互い持ちつ持たれつという関係ですね。
――ゴマブッ子さんから愛のあるアドバイスをもらって幸せになる女性は多いと思います。ゴマブッ子さんの考える「幸せ」とはどのようなことでしょうか?
幸せの形は人それぞれですので、その人が幸せだと思えばそれでいいと思います。
でも恋愛で苦しんでいる人の多くが「自分が幸せだと思っていることが実は自分を不幸にする」ということに気づけていないので、ブログを通じてそれは伝えていきたいと思っています。
――なるほど、人それぞれということですが、ゴマブッ子さんご自身にとっての「幸せ」とはなんでしょうか?
読者の方から「ブログを読んで行動した結果人生がいい方向に進んでいる」と報告をもらったときは、素直に嬉しいですね。何気ない日常に感謝できるって幸せだと思います。
――キレイ事だけでなく厳しい言葉も欲しいという気持ちにより、多くの方から支持されていることと思います。こうしたアドバイスはご自身のどのような経験から生まれた言葉なのでしょうか?
経験から生まれたものもありますし、Aさんの相談内容がBさんへの答えになっていたというように、相談メールから見えてくる言葉があったりもします。
――ご自身の経験で、いい意味でも悪い意味でも忘れられない言葉はありますか?
「100万円貸して」ですかね。「愛されてねーーーっ!」って思わず叫びましたよ、心の中で。当時付き合っていた彼に言われた言葉なんですが、今考えてみれば「彼氏」だと思っていたのは私だけで、彼は私のことなんてなんとも思ってなかったと思います。
――えええ!? その後どうなったのでしょうか?
愛されていないと思うポイントがいくつもあったので自分から別れを切り出しました。私は引きずりましたが、相手は1週間後には別の男(大本命)と付き合って幸せそうでしたよ。
――壮絶ですね……! ブログでは寄せられた相談をぶった斬ってらっしゃいますが、ご自身の恋愛の悩みもバッサリ割り切ってしまうのでしょうか?
どうですかね。最近、恋してないので忘れました。
――ブログのプロフィールに「綺麗売り」に大失敗したと書かれていましたが、何があったのでしょうか?
その辺は書籍に書いておりますので、是非『女のしくじり』『綺麗女のたしなみ』『独り身の呪い』あたりをお読みください。
――前の質問「綺麗売り」もそうですが、ゴマブッ子さんは他にも「GSP女」「3ない運動」など、独特のワードを生み出されています。こうしたワードはどのようにして生まれるのでしょうか?
勝手に思い浮かびます。
――ゴマブッ子さんは本をたくさん出版されていますが、ブログとは違う、意識している点がございましたら教えてください。
ブログでは相談に集中して、書籍では自身のしくじり体験談なども入れる事で差別化をしています。
――『女は熱しやすく、そんな女に男は冷めやすい あなた、ちょっと“GSP女”じゃない?』など多くの著書は電子書籍でも出版されておりますが、ゴマブッ子さんは普段電子書籍をご利用でしょうか?
ほとんど利用してません……つまらない回答ですいません。よく「オススメの本やマンガを紹介してください!」と聞かれすが、あまり本もマンガも読まないんですよね。影響されやすいので読むと自分が書く事に影響してしまうと考えていて。私らしさを表現するためにも、なるべく読まないようにしています。
ゴマブッ子
人気ゲイコラムニスト。恋愛相談をブログでぶった斬るというスタイルを確立したパイオニア的存在。デイリー最高アクセス数414万PVのブログ「あの女」で恋愛相談を4000件以上ぶった斬っている。
著書に『あの女』(2012年・ヴィレッジブックス)、『綺麗女のたしなみ』(2013年・朝日出版社)、『脱・ダメ恋愛』(2015年・すばる舎)、『女は熱しやすく、そんな女に男は冷めやすい あなた、ちょっと“GSP女”じゃない?』(2016年・PHP研究所)などがある。