昔は、ホラーブームで波に乗って、結構好きな事やらせてくれた
――じゃあ、ちょっと先生の個人的なお話からということで、日野先生と犬木先生の自分たちの作品で一番好きなキャラクターを教えてください。
(日野先生)自分のですか? うーん。自分のだけど、ほとんど1作品、1作品ごとにキャラが違うので、本当にシリーズでやってるとすれば、自分のキャラですね。『Mコレクション』ってホラー映画を40本以上やってるんだよね。これは、「私の名は日野日出志です」ってやってる作品で、いろいろ種類があるんです。そのエピソードを1つずつ紹介していくって形式で、やってたんだよ。
(犬木先生)それは、自分が主人公って形でやってました?
(日野先生)うん、俺なんだよ。
(犬木先生)ああ、そっかあ、なるほどね。じゃあ、自分語りみたいなみたいな感じで、ホラーと怪奇の世界をやってたんですね。
(日野先生)そうそう。
(犬木先生)知らなかった。そんな形でしたっけ?
(日野先生)そうなんだよ。で、『Mコレクション』のラストは、俺の子供が出てくるんだよ。で、全く自分の自覚がないんだけども「父ちゃん死んでんだよ」って子どもに言われて「俺が?」っていう話になってる。
(犬木先生)ああ、なるほど。
(日野先生)細かいところ忘れちゃったんだけど。自分の似顔絵があるじゃないですか、全く違う絵なんですけど。本当はコピー機に自分の顔をつけて、プリントして、ちょっと書き加えて、実際の顔を出したっていうのがラストなんですよ。
(犬木先生)なるほどねー。いろいろ実験をやったんですね。昔は正直言って、ホラーブームで波に乗って売れてたりすると、結構好きな事やらせてくれたりしたんです。だから、そういう冒険的な事が、出来たりしたんですけれどねー。
――犬木先生は、自分の作品で好きな作品とか思い入れのあるキャラクターはいらっしゃいますか?
(犬木先生)そうですね、キャラクターでいったら、好きっていうよりも1番最初にヒットして、それで一気にバーッと広がったという意味で、『不思議のたたりちゃん』のたたりちゃんですね。実は、あれは結局、私の分身なんですよ。本当に子供のころの私で、今でもああいうちょっと、内面というか性格的なものがあんな感じですっていう。だから、付き合っている人には、結構バレちゃうと思う。キャラクターとして好きなのは、やっぱり不気田君ですねー。
――不気田君ですねー。個人的には『かなえられた願い』の悪魔も可愛くて好きです。
(犬木先生)ありがとうございます。そうですね、作品でいうとやっぱり、一番最初の初期の『かなえられた願い』とか『暗闇童話集』とかっていう短編集。やっぱり、エドガー・アラン・ポーとか星新一とかそういうのに凄く憧れてたんで、ああいうのが好きですね。日野先生もそのへんは同じだと思います。
――2人がお互いに影響を受けた部分などはありますか。
(日野先生)当然ありますね。特に私のほうが。
(犬木先生)やっぱり。途中入ってましたね、かなり。みんな入ってましたけどね、あの頃は。結構、ホラー漫画家何人かとすごく仲良くなって集まったりしてたんですけど、不思議なもので、やっぱりみんなちょっと寄ってきてましたね。
――へぇ。やっぱり先生が同世代に活躍された方々というと、『惨劇館』で有名な御茶漬海苔先生とか、『うずまき』の伊藤潤二先生ですか?
(犬木先生)そうですね。伊藤先生は、ちょっと遅れて出てくるんですけど。伊藤先生は、既にデビューもされてたんですけれども、私がばーっと色々ばら撒いた雑誌のブームには乗らないで、じっくりと「朝日ソノラマ」という雑誌でじっくり毎月24ページずつ書いていました。私はほら、あっちでもこっちで連載やってたんで、ぶわーっと波が来ましたけど。伊藤先生がブームになるのは、だから、そのあとぐらいじゃないですかね、やっぱり。そのへんはやっぱりじっくり描いて、自分を崩さずっていうふうに伊藤先生はやられてたから、賢いなあって私は思いますね。でも「誰かがブームの火付け役をやらないと、ホラーのジャンル誌ってどんなに頑張っても10万部以上いかないんだよね」っていうのを1番最初に言われて、それをどうやって打破するかっていうのが、すごく勝手に私の中であったんで。で、若いのもあって、勝手に突っ走ってました。
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