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ついに実現!日本を代表するホラー漫画家による対談。日野日出志×犬木加奈子。 二人がホラー漫画に秘める想いとは?そして二人の意外な関係とは・・?(前編)
2016年7月29日


俺とあなたとはコインの裏表みたいにどっかでつながってる

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――次に8月3日から14日の日程で中野の「墓場の画廊」で行われる『地獄のたたり展』についてお伺いできればと思います。見どころみたいなのありますか?

(犬木先生)やっぱり、絶対にありえないような本当の共作、本当の合作というところです。

(日野先生)あれに関して、一番苦労してんのは俺だと思うんだよな。

(犬木先生)あたしだって苦労したんですってばー!すばらしく忙しい中、一生懸命描いたんだから。でも、たしかに日野先生の最初の頃はすごいですよ!

(日野先生)考えなよ。最初の頃?えっ?

(犬木先生)だって、お前がこんな原稿料で、俺がこんなんなんだとか言ってくるんですよ。でも、申し訳ないけど、その時の人気なんですよ。やっぱお仕事だから、残酷なんですよ。どっちが先輩後輩とかないんですよ。

(日野先生)俺の××倍もらってやんの!

(犬木先生)それ大げさ!それちょっと大きすぎ。大げさすぎですってばあ。

(日野先生)まあ、でもしょうがないよ、それは。言うだけは言ったけどね。もう、いい時の話をしようよ!

――そういえば二人展ではサイン会も行われるんですよね?

(犬木先生)そうですね。サイン会とトークショーです。1時間の内に30分ぐらいトークショーやって、30分くらいでサイン会をやりましょうっていう感じです。

(日野先生)でもあれだよね。2人展ってまず、はじめてだもんな。

(犬木先生)そう!はじめてですね!

(日野先生)前に俺の原画展あったじゃん。で、30作品くらいあったから、企画しようかなって思ってたんだよ。そしたら、丁度この話が来ておもしろいなと思って。もったいないからね。

(犬木先生)そう、だからね、あれもったいない。もうどうしようかって言ってて、「俺いらないから、いざという時の為にお前がもっとけよ」って、渡されて、預かったまんまだったんですよね。

――それが今回の展示会という訳ですね。ちなみに犬木先生は、家庭のご事情で少しお休みされてまして、最近また描くようになったごきっかけはなんだったんでしょう?

(犬木先生)そうですね、一時のホラーブームがあったじゃないですか。いや、あれをブームって言われちゃうと悲しいんですけどね。10年は間違いなく私、5誌くらいで巻頭に描いてたし。10年もやったから、もうブームとも呼ばれないだろうと思いましたし、実際に大手で、ホラーを題材にというか、もっとかっこいい洗練されたホラー風な作品っていうのが沢山出てきたんです。ただ、そうするとやっぱりホラーじゃなくて、ホラー風な作品に広がっていって。ホラーってのは、日野先生も言うんですけど、じっくりじっくり描いてると広がらないんですよ。ダメになっちゃうの。

(日野先生)そうなの。そうなんだよ。

(犬木先生)みんな、一瞬なんかホラーブームっぽいのが来るんだけど、2~3年でシュッ!て終息しちゃう。あとは、やっぱりPTAとか大人からの風当たり、ようするに社会の風当たりが強くって。一応大手でね、日本で1番売れたホラー雑誌を作ったんだけども、最終的にそれも、潰されちゃいました。

――やはり、ホラー雑誌ってジャンルとしてそういうものなんでしょうか?

(犬木先生)その時の理由っていうのが、やっぱりその苦情や社会的な目があるとかっていう、要するに大手の出版社がこんな本を出していいのかみたいな理由なんです。でもね、本当のところは、わからないんだあ。

(日野先生)俺はね、最初はブームだったと思う。でもね、10年ってブームじゃないんだ。で、犬木先生がなんで10年持ったかって、多分最初に会ったころに話したと思うんだけど、自分の身の中から出てきてるのよ。犬木先生のストーリーが。

(犬木先生)うん。

(日野先生)で、そうするとそれっていじめ、たたりちゃんは、いじめられてるじゃない。例えば、不気田で、すごいと思ったのは心に穴が開いてる。それを実際に映像で描くわけじゃないですか。それって説明しなくても、要するに心に穴が開いた主人公っていうのを絵で描いちゃうわけ。そうするともうこの人の多分、子供のころの体験とか、それがね、俺根っこにあると思うんですよ。そこが俺の描き方と、まあ俺は出発点が違うからアレなんだけど。そこが、男の子の心象風景なわけ。

(犬木先生)うん、そうだね。

(日野先生)それがもとになって俺の世界ってあるわけ。犬木先生は要するに女の子なんですよ。だからそこが俺すごく似てると思う。ただ、俺がどの人にも敵わないのは、女性としての発想が出来ないってこと。最初その話したよね。もしかすると俺とあなたとはコインの裏表みたいにどっかでつながってるって、多分話したと思う。

(犬木先生)うん。それは最初にお会いした時からずっと。ずっとずっと会う度に毎回お話ししてますね。

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