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ついに実現!日本を代表するホラー漫画家による対談。日野日出志×犬木加奈子。 二人がホラー漫画に秘める想いとは?そして二人の意外な関係とは・・?(後編)
2016年8月3日


子供の頃に読んだ恐い漫画が今でも記憶に残っているという読者は多いのではないでしょうか?近年も数多くのホラー漫画が生まれていますが、今回はそんな日本のホラーマンガの礎を築いた二人のホラー漫画家にご登場いただきます。

お一人は『蔵六の奇病』や『地獄の子守唄』などを生み出し、”ホラー漫画の帝王”と呼ばれる日野日出志先生、もうお一方は『不思議のたたりちゃん』などで知られる”ホラー漫画の女王” 犬木加奈子先生です。
お二人は、この夏の8月3日から14日の期間、中野ブロードウェイ3階の「墓場の画廊」で『地獄のたたり展』を開催されます。

本対談の後編では、お二人の今後についてお伺いしました。

前編はこちら

メディアが多様化して、面白い時代になってきた

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――そういえば、犬木先生がクラウドファンディングで作品を作ったとお伺いしたのですが、ちょっとお伺いしてもよろしいでしょうか。
(※クラウドファンディング:アイデアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法。)

日野先生 そうなの!?すごいね。その話聞かせて。

犬木先生 もうファンディングは成立しちゃっているんですけど、10日間で300万円集めたんですよ!集めたお金でコミックを300冊作り販売しました。

日野先生 一口のらせてくれよ(笑)。

犬木先生 御茶漬海苔先生と「シチュエーションホラーの女王」で有名な関よしみ先生と私の3人でやって、みんなで書下ろし作品を作りました。それが267冊売れたんですよ。

日野先生 今って本当に、メディアがものすごく多様化していて、ある意味おもしろい時代になってきたと思うんですよね。

犬木先生 そうですね!色々なやり方がありますね。

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日野先生 ホラー漫画家って今はいっぱいるんですけど、私が本当に認めている人は少なくて、その内の1人が犬木先生なんですよ。

犬木先生 そうなんですね!

日野先生 あとは伊藤潤二先生。彼は自分の本当にペース守ってやっている。

犬木先生 そう、そこは賢い。自分の世界観をじっくり描き上げているから。

日野先生 絶対レベル落とさないでしょ! 俺なんか忙しくなっちゃうと、すごい気分屋なので、のるときはのるんだけど、そうじゃない時は難しい

犬木先生 難しいですよね。24ページの原稿を1年かけて書いたって、原稿料が1年分出してくれるわけじゃないですからね。で、その1年がかりの原稿をうっかり出しちゃうと次はそれを1ヶ月で描けって言われて。不可能ですよね。

日野先生 『蔵六の奇病』は、1年かけて描いた作品で、俺にすれば1コマ1コマ、石ころ1個も俺にとって全部気持ち込めているわけ。そのグレードを、月2回の連載って言われても、そのグレードで描けるわけがない。だから「月1本にしてください」って、言ったんだけどしょうがないよ。やっぱりあの時はあれで良かったんだと思う。そういう時期もあるよね。

犬木先生 だからこそ、伊藤先生は賢いなあと思う。作家としてすごく賢い選択をしたと思う。ただみんながあれをやっちゃうと、あの頃のホラーマンガブームは絶対来なかったと思う。

日野先生 確かにあの頃のホラー雑誌ブームにはならなかっただろうな。

犬木先生 ならなかったと思うし、下手すれば4~5年でシューッって終息しちゃいましたし。今だから堂々と言わせてもらうけど、ホラー漫画家ですって言っている人の大半は、あの頃のブームのおかげというか、あのどさくさに紛れてでてきたデビュー出来た人達だと思う。

>次ページ「「もっと活躍の場があれば! 」っていう想いでやってきた。」



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